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パナソニックが業界初の屋外専用冷凍庫を投入する狙い

パナソニックが業界初の屋外専用冷凍庫を投入する狙い

業界初となるパナソニックの屋外専用の冷凍庫

パナソニックは、業界初となる屋外専用の冷凍庫を24日に発売する。既に展開している屋外専用の冷蔵庫と合わせ、店舗における荷受け・一時保管の用途として、外食業界や流通小売り業界などに提案する。店舗に従業員が不在の場合でも、食材など適温保冷が必要な荷物を受け取れるようにして、店舗の省人化や業務効率化に貢献する狙い。消費税抜きの市場想定価格は50万円前後。初年度に300台の販売を目指す。

屋外専用冷凍庫「SBZ―K553F」は、コールドチェーンや空調などを手がける子会社、パナソニック産機システムズ(東京都墨田区)が開発した。1枚扉で庫内の容積は555リットル。外形は幅852ミリ×奥行き666ミリ×高さ2061ミリメートル。庫内の温度をマイナス25度C―マイナス15度Cに設定できる。

外気温がマイナス20度C―プラス35度Cという環境下で設置可能。扉のパッキン周辺にヒーターを内蔵することで、寒冷地でも開閉部が凍結しない設計とした。従来の一般的な冷凍庫は、外気温が低い環境での使用をあまり想定しておらず、屋外設置には適していないという。

その他、防雨性能を高めた構造設計や、盗難防止用の南京錠などを備えているのが特徴。パナソニックのクラウドサービス「エスクーボ」と連携すれば、遠隔から庫内の温度を管理できる。

パナソニックは2003年に屋外専用の冷蔵庫を発売し、累計3000台程度の販売実績を持つ。これまでもコンビニエンスストアや駅の売店などへ、荷受け・一時保管用途に提案していたが、事例としては少なかった。冷凍庫もラインアップに追加することで対応可能な荷物の種類を増やして、同用途の提案を強化する。

日刊工業新聞2020年8月24日

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