無糖炭酸の市場拡大が止まらない。王者「ウィルキンソン」3割増産
アサヒ飲料は無糖炭酸飲料「ウィルキンソン」を増産する。1―6月の販売数量は前年同期比12%増の1372万ケースとなり過去最高を更新。7月に前年同月比2割増産したのに続き、8月は同3割増産する。無糖炭酸飲料市場はコロナ禍であっても1―6月に前年比22%増と拡大基調が続いており、本格的な夏の需要に対応する。
ウィルキンソンは定番商品に加え、機能性表示商品「エクストラ」や、期間限定のピールライムやピンクグレープフルーツ味も好調に推移している。また、コロナ禍の外出自粛などより、家飲み需要が拡大したことなどで、1リットル入りペットボトルが1―6月に同89%増となるなど、ブランド全体の売り上げを押し上げた。
無糖炭酸飲料市場は1―6月も販売数量で同22%増、販売金額で同14%増と、拡大基調が続いている。ウィルキンソンは無糖炭酸飲料市場でトップシェアを維持し、市場の拡大をけん引。無糖炭酸飲料が酒の割り材から、直接飲用する飲料として定着するのに合わせて、13年連続で過去最高の売り上げ更新が続いている。
アサヒは2018年にウィルキンソンを製造する六甲工場に約20億円を投じて生産設備を増強しており、足元の需要増に対応できる。
炭酸飲料では「三ツ矢」も4月にリニューアルしたことや、期間限定品の「特濃オレンジスカッシュ」などが堅調に推移し、1―6月期の販売数量が前年同期比1%増となり、過去最高を達成した。7月に前年同月比4割増産したのに続き、8月は同3割増産する。アサヒ飲料では20年にウィルキンソンや三ツ矢など、炭酸飲料全体で前年比7%増の1億ケースを目指している。
日刊工業新聞2020年8月4日