韓中の攻勢にさらされる造船、常石と三井E&Sの資本提携で反転なるか

  • 0
  • 1
常石造船のドック

常石造船(広島県福山市、河野健二社長)と三井E&Sホールディングス(HD)は、同社の完全子会社の三井E&S造船(東京都中央区)に常石が出資する協議を始めた。資本提携の詳細を検討し、12月末をめどに合意を目指す。以前から常石と三井E&S造船は商船分野で提携している。韓国や中国勢の攻勢が続く造船業界で競争力を高めるには関係強化が必要と判断した。

2021年10月の出資完了を目指す。出資比率などは今後詰めるが、三井E&SHDは三井E&S造船の株式の過半以上を保有する方針で、親会社の立場を維持する。

三井E&S造船と常石造船は18年に業務提携した。三井から常石へのバラ積み船のライセンス供与や資材の調達、人材交流などを進めてきた。

資本提携に踏み込むことで、営業力や設計のノウハウ、研究開発のリソース(資源)の相互活用を進める。常石がフィリピンで造船事業を展開する強みも生かし、両社は今後見込まれる東南アジアでの受注を狙う。

造船業界は国からの金融支援を受ける韓中勢が大型案件を次々と受注し、日本勢は厳しい状況に追い込まれている。三井も商船の低迷を受けて、千葉工場(千葉県市原市)での建造を21年3月末に終了する。新型コロナウイルス感染症の拡大で受注環境の回復が見通せない中、常石との提携拡大で業績回復を目指す。

日刊工業新聞2020年8月3日

キーワード

関連する記事はこちら

特集