欧米の工場統廃合も、AGCにコロナが大打撃
AGCは、コロナ禍による世界的な需要低迷を受け、中核のガラス事業で欧米の工場統廃合など構造改革を視野に入れる。島村琢哉社長は2020年12月期連結決算(国際会計基準)見通しなどのオンライン会見で、「ガラスは市場回復に2―3年かかる。各地域で需要に見合った生産体制を再構築する」方針を明らかにした。
20年12月期連結決算の売上高は前期比11・1%減の1兆3500億円、営業利益は同60・6%減の400億円の減収減益見通し。新型コロナウイルスの影響で合理的な算定が困難とし、これまで未定としていた通期見通しを公表した。世界的な需要低迷が響く。
特に自動車や建築需要の減退で、ガラス事業の苦境が際立っており、20年12月期は400億円の営業赤字(前期は93億円の黒字)に転落する見通し。化学品事業も悪化する。
税引き前利益と当期利益は合理的算定が引き続き困難だとして現時点で未定とした。
日刊工業新聞2020年8月3日