コロナ禍で未実施の実験科目、東工大は夏休みに実施

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来月から低学年の学生も登学する(東工大・大岡山キャンパス図書館=イメージ)

東京工業大学は新型コロナウイルス感染症対応で、実施できずにいた実験をお盆過ぎから9月の夏休み期間に実施する。今春からの第1・第2クオーター(4―8月)はすべてオンライン講義としたが、理工系の知識は実際に手を動かして身に付けることが重要なためだ。これを機に研究室配属されていない1―3年生が登学する。10月からは午前に自宅でオンライン講義、午後は実験や実習の対面授業といった科目配置を検討する。

東京工業大学は4学期制(クオーター制)で、第2クオーターの8月初旬まで講義をビデオ会議システム「Zoom」に一本化した。演習のうちプログラミングはオンラインで実施したが、講義で得た原理や動作の知識を身をもって確認する実験は棚上げだった。同大は学士課程(学部に相当)1年生の化学や物理の基礎実験、2、3年生で必修の専門の実験を、通常の夏休み期間を使って行うと決めた。学生間の距離1―2メートルの確保は講義時より容易で、従来の半分程度の密度で行う。

第3クオーターの10月1日からは、オンライン講義と実験など対面の演習を、昼休みで区切って実施する案がある。系(学科に相当)を中心に時間割を検討、夏休みのような余裕がないため通常期間内に完結させる。

授業科目のうち講義はオンライン化できるが、演習のゼミや実験、実習、実技などは対面指導が基本で難しい。教員が手がける実験の動画を配信し、学生のリポート提出で単位認定とする大学もあるが、教育の質の低下が問題となっている。

一方、研究室所属の学生は6月から戻っており、滞在時間の分散と教員のチーム管理で対応している。卒業・修了研究が秋からヤマ場のため、実験室より三密になりやすい居室の入れ替え制など工夫をしていく。

日刊工業新聞2020年7月30日

COMMENT

山本佳世子
科学技術部
論説委員兼編集委員

「テレビの料理番組みたいな」という声を、別の大学の教員から聞いた。つまり、「始める前」「途中段階」「完成形」を、詳細は飛ばして教員が事前に用意をし、配信する映像を指してのことだ。レポートも「私も実際にやってみたいと思った」という感想に終わっては、まさにお料理番組(実際には作らずに終わることも多い)だ。演習科目は学生がキャンパスに出向いて、ほかで代替できない高度の教育を受けるという点で、はずせないものだ。各大学の工夫の方策を共有してもらいたい。

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