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年2倍超で成長するローカル5G市場、25年度には2200億万円規模に

第5世代通信(5G)を地域限定で用いる「ローカル5G」の市場はいつ立ち上がるのか―。ミック経済研究所(東京都中央区)がまとめた市場調査によると、ローカル5Gソリューション市場は年平均が約2・2倍で成長し、2025年度には2245億8000万円規模と予測する。20年度は50億円弱規模を見込む。

この調査はローカル5Gソリューション関連の通信機器メーカーや通信事業者、主要なシステム構築(SI)業者など27社を対象に推計した。

ローカル5Gソリューション市場は19年12月に新しい帯域の免許を取得できるようになり、事実上市場が立ち上がった。20年度は概念の実証(PoC)運用にとどまるが、21年度以降に5Gの特性をフルに生かせるスタンドアローン方式の商用サービスが始まり、SI業者の新規参入なども相次ぐ。その結果、年平均成長率が約2・2倍となり市場は一気に加速すると予測する。

ローカル5Gソリューション市場が順調に立ち上がるための課題としては導入コストを挙げた。現状のコストは実証実験でも1プロジェクト当たり数千万―1億円の投資規模と高額。導入コストの低減に向けて、コアネットワークのクラウド化への期待が高い。実証実験ではオンプレミス(自社保有)中心だが、実稼働ではクラウド型やプライベートネットワーク型への移行が進み、複数ユーザーによる共有化によって低コスト化が進むと予想する。

クラウドへの流れは、ローカル5Gの初期投資のハードルを下げるとともに、ローカル5Gのサービス基盤を提供するプラットフォーマーの登場によってサービス化が加速するとしている。

日刊工業新聞2020年7月27日

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