コロナ禍特需でネット通販も伸びたホームセンター、競争激化で再編も

「ライフライン」でドラッグストアが強敵に

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新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要や生活習慣の多様化で、ホームセンター(HC)大手の業績が好調だ。2020年3―5月期にDCMホールディングス(HD)、コーナン商事は売上高、営業利益が第1四半期として過去最高益を更新した。両社とも通期見通しを据え置き、先行き慎重な見方を示しているが、コロナ禍を背景に当面は客足を伸ばしそうだ。

DCMHDの20年3―5月期の売上高に相当する営業収益は前年同期比8・6%増の1258億円、営業利益は同70・4%増の116億円を記録。コーナン商事は営業収益が同29・5%増の1137億円、営業利益が同68・4%増の108億円だった。日用品や飲料、マスクや除菌液が好調に推移。園芸用品、日曜大工(DIY)工具などコロナ禍で商機が拡大した。

新型コロナ感染拡大で各商業施設が休業する一方、ホームセンターが貴重なライフラインとなったようだ。恩恵はサプライチェーン(供給網)にも広がる。日本ペイントホールディングス(HD)グループで、DIYや家庭用の塗料を取り扱うニッペホームプロダクツ(東京都品川区)は、HC向けの売上高がゴールデンウイーク以降、前年同期比30%増と好調が続く。5月度の同社ホームページのアクセス数は「前年同期比約13倍、ネット通販サイトの販売商品数は約3倍」(日ペHD広報)にそれぞれ拡大した。

住江織物も5月の連休明け以降、ネット通販やHC経由で一般家庭向けのクッション、ラグマット、カーテンなどが伸長。7月もその傾向は変わらず、営業自粛対象外だったHCでは前年同期に比べて販売が2倍に膨らんだケースもある。

DCMHD、コーナン商事とも第1四半期時点で21年2月期見通しに対する営業利益の進捗(しんちょく)率は50%を超えるが、通期予想は据え置いた。新型コロナ第2波への懸念や天候不順の影響、競争激化などで実店舗の販売が伸び悩む恐れがあるためだ。実店舗の販売を中心とするHCは取り置きサービスやオンライン販売に力を入れる傾向だ。また、差別化を図るため、プライベートブランド(PB)商品の開発にも力入れる。

経済産業省の商業動態統計によると、19年のホームセンターの販売額は前年比0・3%減の3兆2747億円。ドラッグストアやネット通販との競争激化が響いている模様で、横ばい傾向が続く。ただコロナ禍の特需で、20年はプラスに転じる可能性が高い。

HC業界ではアークランドサカモトがLIXILグループのLIXILビバを傘下に収めるなど業界再編が進む。コロナ禍で再注目されるHC。ニューノーマル(新常態)での生活多様化と業界再編という、二つの変化にどのように対応するか。動向が注目される。

(取材=大阪・池知恵、大阪・錦織承平)

日刊工業新聞2020年7月24日

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