エネルギーを使わず5℃低下させる大ガスの新素材、世界最高レベルの冷却性能

  • 0
  • 36
放射冷却現象を活用した冷却素材を開発(フィルムのサンプル品)

大阪ガスは放射冷却の原理を利用し、直射日光下でもエネルギーを使わず温度を低下できる新素材「SPACECOOL(スペースクール)」を開発した。独自の光学制御技術を用い、太陽光の入熱よりも赤外線放射の出熱を多くする材料設計を行った。中国企業で類似素材はあるが、大ガスは自社実験で外気温より最大約5度C低くなる世界最高レベルの冷却性能を確認済み。同素材を使ったフィルムと帆布のサンプル提供を月内に始める。

放射冷却は、地球上の熱が「熱ふく射」と呼ぶ電磁波(光)の形で宇宙に放出され、冷却される現象。開発した素材は、太陽光の入熱を防ぐ反射層と、熱ふく射を促進する放熱層の多層構造を持つ。特許も出願中だ。

同社エネルギー技術研究所(大阪市此花区)の敷地内で、同素材を貼り付けた対象物を外に置き、温度測定し検証を重ねてきた。同素材の屋外での耐久性は4年以上を見込む。サンプル品はフィルムが銀色2タイプと白色の3種類、帆布は銀色と白色の2種類ある。素材自体にデザインを施すことも可能。

同素材は夏場での膜建造物やコンテナ・倉庫での温度環境改善、熱中症対策商材などでの用途を想定。2021年度中の製品化を目指す。価格は未定だが、同一面積で使う場合、既存の日射反射率の高い塗料と同等かそれ以下に抑える方針だ。

今回の成果は29日からインテックス大阪(大阪市住之江区)で開かれる「猛暑対策展」で披露する。

日刊工業新聞2020年7月22日

関連する記事はこちら

特集