ニュースイッチ

オール電化住宅に再エネ100%で暮らそう。長州産業・みんな電力が協業 

オール電化住宅に再エネ100%で暮らそう。長州産業・みんな電力が協業 

蓄電池をAI制御し、太陽光パネルの電気を優先活用(長州産業の蓄電池の設置イメージ)

長州産業(山口県山陽小野田市、岡本晋社長、0836・71・1033)とみんな電力(東京都世田谷区、大石英司社長、03・6805・2228)は協業し、オール電化住宅の電力全量を再生可能エネルギー化できる機器と電力を17日発売する。大手電力会社以外でオール電化向けの電力サービス提供は初めてとみられる。“実質・再生エネ100%”を訴求して関東から先行販売し、2021年6月までに全国で1万戸への導入を目指す。

長州産業の太陽光パネルと蓄電池、オール電化対応の電気料金プラン「CICフレンズプラン」をセット販売する。蓄電池はNTTスマイルエナジー(大阪市中央区)の人工知能(AI)技術で制御し、太陽光パネルが発電した電気を優先的に使う。不足分はみんな電力が再生エネ由来電気を供給して補う。

CICフレンズプランは、電気の使用量に応じて段階的に価格が変わるプラン。関東エリアで月250キロワット時以下の使用なら5800円。新電力のみんな電力は再生エネ発電所の電気や国の非化石証書などを組み合わせ、実質・再生エネ100%の電気を供給する。

大手電力会社はオール電化の電気料金を低く設定しており、新電力の再生エネ電気ではコストで太刀打ちできない。両社はAI制御で蓄電池の充電を夜間に集中させることで、みんな電力が再生エネ電気の調達を低コスト化し、価格で対抗できるようになった。

長州産業は100%再生エネでの生活実現を目指しており、太陽光パネルや蓄電池を販売する。みんな電力は再生エネ事業会社として11年に設立。再生エネ電気の需要が高まっており、丸井グループや戸田建設など企業との契約が増えている。富士経済(東京都中央区)によると、15年度時点でオール電化住宅は627万戸あり、全体の1割を占める。

日刊工業新聞2020年7月17日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
記事に書き込めませんでしたが、春・秋なら電気代は月5800円に収まる確率が高いそうです。みんな電力は、風力やバイオマス発電からも電気を調達するので、夜の安い再生エネを供給でき、この価格が実現しました。また、みんな電力は一般家庭からはネット申し込みが多かったそうですが、今後は長州産業の代理店の対面販売による営業ルートも出てきます。家庭にも再生エネ100%電気が普及するのか、楽しみです。

編集部のおすすめ