小泉進次郎の発言に勢い戻った!?環境大臣として“脱炭素”のかじ取りに自信深める

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再生可能エネ発電事業者からオンラインで意見を聞く小泉環境相

小泉進次郎環境相の動きがめまぐるしい。連日のように企業関係者との会談をこなし、イベントに参加する。3日には「新型コロナウイルス後の社会像を考える勉強会」を立ち上げた。持ち前の発信力に陰りが見えた時期もあったが、最近は行動とともに発言にも勢いが出てきたように映る。9月の就任1年の節目に向け、行動も“小泉節”も勢いを増しそうだ。

小泉環境相は6月12日に環境省独自の「気候危機宣言」を自身で発表すると、その後は会談ラッシュとなった。22日に若手経営者グループと会い、24日には経団連の中西宏明会長とともに生物多様性保全の会合に出席。25日はレジ袋削減の啓発イベントに参加し、同日夕方には温暖化対策を訴える企業グループ「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」、続けて学生団体との意見交換に臨んだ。

翌週29日は再生可能エネルギー発電事業者から意見を聞き、30日は武田良太防災担当相と気候災害に対応する戦略を共同発表。そして7月8日には再び中西会長に会い、経団連幹部と脱炭素社会の実現に向け意見交換をした。

19年9月の就任直後、環境省内には小泉氏の発信力に期待する声が多かった。だが、次第に歯切れの良さは封印された。同年12月の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)では「石炭政策については新たな展開を生むにはいたらなかった」と発言し、日本が温暖化対策に消極的な印象を世界に与えた。石炭火力発電の廃止や温室効果ガス排出削減目標の決定権は環境省にはなく、「国内調整の難しさは万国共通」と吐露した。

20年度に入ると状況が変わった。有識者の検討会が石炭火力の輸出支援の厳格化に向けた報告書をまとめると、「売れるから売るではなく、脱炭素への移行が促進されない限り輸出しない“脱炭素化原則”へ方針転換しなければならない」と発言に勢いが戻った。

日本気候リーダーズ・パートナーシップが脱炭素社会への移行を求めたことに対し、会見で「皆さんの思いが政策として国の形につながるように、全力を尽くしていきたいと思う」と言い切った。梶山弘志経済産業相が今月3日、旧式の石炭火力を休廃止する方針を発表すると「山のように動かないエネルギー政策に風穴が空くようなもの」と表現し、環境行政のかじ取りに自信も深めた。

ここ数年、9月が内閣改造の時期となっている。21年度予算の概算要求の締め切りは例年よりも1カ月遅い9月末。予算に“小泉色”を打ち出せば環境相としてレガシー(遺産)となる。だが、繰り返して強調する「脱炭素、循環経済、分散型社会への三つの移行で経済社会を再設計する」(小泉環境相)には残り時間は少ない。集大成か、それとも留任後への布石となるのか、行動は加速されそうだ。 (取材・松木喬)

日刊工業新聞2020年7月9日

COMMENT

松木喬
編集局第二産業部
編集委員

小泉環境相は8日、梶山経産相と直接会談し、日本政府による石炭火力の輸出支援の厳格化に向けて協議をしていました。事務方を伴わず、単身で経産大臣室を訪ねたそうです。トップ同士の最終調整があったようです。小泉環境相だけを持ち上げるつもりはありませんが、環境行政が動くスピードが上がりました。原発の再稼働は難しく、再生エネの普及が最善になりました。

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