マクドナルドは7月以降も無償提供でレジ袋と賢く付き合う
コロナ禍で「レジ袋イコール悪」ではない
7月に全国の小売店でプラスチック製レジ袋が有料化になるが、頼みのマイバッグに衛生面から疑問符が付いている。スーパー、コンビニなど小売り12団体は、新型コロナウイルスの感染予防策として、「マイバッグへの詰め替えは顧客自身で実施する」指針を設けた。
スーパーの担当者は「店員がバッグに触れてウイルスに感染したり、他のお客さまに感染を広げたりしないため」と話す。顧客もマイバッグを清潔な状態に保つなど協力が必要だ。
「コロナのような問題が起こるとレジ袋も有用な選択肢」と公衆衛生の専門家は指摘する。そもそも有料化は、増え続けるプラゴミの削減に“気づき”を促すという、国の政策として導入された。しかし、汁物や生鮮品の運搬には、マイバッグよりレジ袋の方が衛生面で安心感がある。
日本マクドナルドや吉野家など外食大手の一部は、レジ袋の素材を有料化の対象外となるバイオマス由来にして、無料提供を継続する方針だ。各社は「安心安全を担保する必要がある」と口をそろえる。
コロナ禍で「レジ袋イコール悪」ではないと気づかされた。レジ袋と賢くつきあい、プラゴミ総量を削減する社会の実現へ、消費者、関連企業、政府が知恵を出し合う時だ。
日刊工業新聞2020年6月26日