イヌを飼うと思春期の児童のメンタル改善が明らかに!ネコでは効果認められず

東京都医学総研など、児童の心身状態調査

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イヌを飼育することで、10代の子どものウェルビーイングが改善する

【相模原】東京都医学総合研究所と麻布大学などは、イヌの飼育が思春期の児童のメンタルヘルスを改善することを明らかにした。ある特定の集団を一定期間追跡調査する「コホート調査」で、動物を飼育していない児童とイヌを飼育する児童のウェルビーイング(身体、精神、社会的に健全な状態)指数の経年変化を比較すると、イヌを飼育する児童の指数の平均値が上回った。イヌとの共生の利点が数値として示された格好だ。

東京都医学総合研究所が東京都世田谷区などに在住する子どもと養育者を対象に長期的に実施する「東京ティーンコホート研究」で明らかになった。ちなみにネコの飼育では同様の効果は認められなかったという。

約2600人を対象に、世界保健機関(WHO)が定める10歳時の児童のウェルビーイング指数と12歳時の指数を比較した。動物を飼育しない児童の平均値が10歳は78・94、12歳は75・20に下落した一方、イヌを飼育する児童の平均値は10歳は78・81、12歳は77・55と下落幅が少なかった。一般的に思春期から35歳程度まではウェルビーイング指数が低下するとされる。イヌの飼育による改善効果が初めて統計学的に示されたという。今後もコホート研究を続け、指数の変化や心身への影響について調査していく。

これまでの研究で、イヌとヒトは視線を介した絆形成や信頼に関わるホルモン「オキシトシン」を分泌して絆を形成できることが分かっている。オキシトシンは不安や緊張、ストレスの軽減といった効果があり「オキシトシンの効果や、イヌが言葉なしにヒトに共感する力が思春期の児童へ良い影響を与えているのでは」(麻布大の菊水健史教授)と推測している。

今回の調査研究は麻布大獣医学部の「ヒトと動物の共生科学センター」の茂木一孝教授をリーダーとし、菊水教授、東京都医学総合研究所の遠藤香織研究員、西田淳志研究員、東京大学医学部付属病院などが実施した。

日刊工業新聞2020年6月25日

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