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韓国市場を攻める。農機メーカーの勝算

井関農機は、韓国市場向けの農業機械の品ぞろえを強化する。田植機で新たに1機種、畑作用の乗用管理機を3機種、それぞれ発売した。韓国は日本同様、農家の高齢化や小規模経営が収益向上のネックになっており、米国農産物など輸入拡大圧力もあって、政府がスマート農業や畑作機械化を推進している。関連農機の需要が増えると見て、品ぞろえを強化、拡販する。

田植機は2019年2月に発売済みの8条植え機種に加え、6条植えタイプの「NP60D―Z」を投入。GNSS衛星からの信号を受信する受信機とステアリングモーターで構成する直進アシスト機構を備え、運転に不慣れな若手でも稲の苗をまっすぐ植え付けられる。水かさが多いぬかるみでも直進性を保てる。スマート農業は大面積の水田を少人数で作業するため、直進性の需要が高い。

畑作用の乗用管理機は農薬噴霧の防除専用機「JK18」と多機能型の「JKB17」「同23―CY=写真」。多機能型のJKB機種は1台で防除から畝立て、中耕、追肥などさまざまな作業に対応できるため、米作から小麦、大豆、野菜など異なる作物の農作業に使える。前後輪が同じ軌跡を通る「4WS」機能を備え、畝の端で車体の向きを変える際、苗を荒らす心配がない。

日刊工業新聞2020年6月22日

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