線路を修繕する「レール削正車」をご存じですか?
JR西日本は線路修繕に用いるレール削正車を増備する。2023年3月末までに約54億円かけて、老朽取り換えの2編成を含む4編成を新たに作り、現状の3編成から5編成に増やす。削正車の活用によって、導入線区でのレール交換作業量を約3割減らし、保線作業の負担軽減やレールの省資源化につなげる。
砥石(といし)でレールを削る砥石式3編成、カッター状の刃で同じく削るミリング式1編成を投入する。近畿地方は京阪神エリアで砥石式3編成、中国地方では主に広島・岡山地区の山陽線でミリング式2編成を運用する。同地方の在来線で削正車を用いるのは初めて。
レール削正車は列車走行で生じるレール表面の凹凸を、削って平らにし、新品と同等の状態にする保守用機械。レール寿命を延ばす。削正車はこれまで京阪神に3編成あった。無配備地域ではレールが摩耗すると、保守要員がレール交換を行っていた。担当者によると、レール耐用年数が20年の線区では、削正車によって現状の倍程度に寿命を延ばせるという。
日刊工業新聞2020年6月18日