コロナで傷ついた社会をグリーン・リカバリーしたい!企業が小泉環境大臣に要望

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企業、NGO関係者からの要望を聞く小泉環境相

新型コロナウイルスの大流行で傷ついた社会を、二酸化炭素(CO2)を排出しない脱炭素型につくりかえる「グリーン・リカバリー(緑の回復)」を求める日本企業が増えている。リコーやイオンなどが小泉進次郎環境相に対し、「経済の回復、緑の回復が同軸でないとダメだ」(リコーの山下良則社長)と訴えた。海外の環境先進企業から後れを取った日本企業にとって緑の回復は挽回のチャンスだ。(編集委員・松木喬)

再エネ調達困難

企業300社以上と自治体などが連携する「気候変動イニシアティブ」からの提案を小泉環境相が受け入れ、10日にウェブ会談が実現した。参加した企業関係者7人が脱炭素社会につながる景気対策を訴えるとともに、具体的な要望もあげた。

イオンの三宅香執行役は「小売業において再生可能エネルギーの確保が難しい」と現状を説明し、「国のリーダーシップ、後押しがほしい」と求めた。リコーの山下社長も「日本での再生エネ調達は難しい」と同調。同社の拠点別の再生エネ比率が欧州50%以上、アジア40%以上、日本2%と紹介し、国内の後れを指摘した。小泉環境相は「いろいろな地域で再生エネ導入を後押ししていきたい」と応じた。

企業は孤立無援

気候変動イニシアティブの末吉竹二郎代表(国連環境計画・金融イニシアティブ特別顧問)は、コロナ危機を経験した海外企業の脱炭素への動向が「先鋭的に激しくなっている」と分析。海外企業が先行できる理由として「政府が(脱炭素に向けた)戦略を出しているから」と指摘し、「日本政府も将来への見通しがつく政策を示すべきだ。日本企業には政府による支援がない。企業の孤立無援な状況を変えてほしい」と促した。

環境省が旗振り

世界経済危機によって2009年の世界のCO2排出量は減少したが、10年から増加に転じた。コロナ対策によって20年も世界各国の排出量は大幅な減少が見込まれる。一方、経済対策を優先すると増加基調に戻るため、欧州連合(EU)加盟国や海外企業トップは連携して緑の回復を訴えている。

また、パリ協定達成を目指す企業の国際活動「SBT」は、各国政府と協力した「緑の回復」を求める宣言を出し、世界的な企業171社のトップが署名した。

日本からはリコー、丸井グループ、前田建設工業、高砂香料工業、YKKの5社が名を連ねた。日本政府は企業の要望をどう受け止めるのか。小泉環境相は「リバウンドさせない。環境省が全力で旗を振っていきたい」と決意を語った。

日刊工業新聞2020年6月12日

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