東京商工リサーチは９日、新型コロナウイルスの影響長期化をにらみ、上場企業１７１社が総額９兆６７５８億円の資金を確保したとの調査結果をまとめた。潤沢な資金を維持するため借り入れを行ったトヨタ自動車が１兆２５００億円を占め首位。世界的な需要縮小が響いている自動車、航空、鉄鋼を中心に２６社が１０００億円以上を確保するなど、手元資金を厚くする動きが広がっている。

トヨタに次ぐ調達額は、ＡＮＡホールディングスの９５００億円。以下、日産自動車（７１２５億７７００万円）、ＪＦＥホールディングス（７０００億円）が続いた。８日時点で業種別では製造業が５１社と最多で、計６兆６１０６億円と全体の約７割を占めた。このうち、新型コロナの影響で新車需要の世界的な落ち込みが予想される自動車業界は、トヨタをはじめ６社が１０００億円以上を確保した。

政府の緊急事態宣言解除後も需要回復が不透明な宿泊、旅行などのサービス業は４３社で計６００２億円。百貨店や飲食店を含む小売業も３８社、計３１４７億円だった。