「コロナ関連倒産」って本当?安易な一括りに警鐘

中小企業の経営難、本質的な原因がコロナではないケースも

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新型コロナウイルスの感染拡大が中小企業の経営に影を差している。特に飲食業への影響が深刻で9割近い企業が売り上げや来店者が減少したと回答した調査もある。サービス業の中にはコロナウイルスの影響で経営破綻する企業も出ており、支援策が求められるものの「コロナ関連倒産」と一括りにすることに疑問を投げかける声もある。

コロナウイルスは中小企業の景況感に2月時点ですでに影響を及ぼしていた。日本商工会議所の調べでは2020年2月の業況DIは調査対象となるすべての業種と地域で1月より悪化した。「一週一週、状況が悪くなっている」。日本商工会議所の三村明夫会頭は18日の会見で中小企業の厳しい環境を語った。

内閣府の「景気ウォッチャー調査」でも2月時点で家計部門を中心に落ち込みが明白。感染の広がりとともに製造業など企業活動に波及してきているのが現状だ。大手製造業幹部は「年度をまたいでも収まらなそうな今、大企業の予算引き締めが中小企業の資金繰りにじわじわと響いていくのではないか」と指摘する。

感染拡大の影響とみられるコロナ関連倒産も生まれ、増加する様相を呈している。だが、全ての要因をコロナウイルスに求める風潮に疑問を投げかける声もある。

 

東京商工リサーチのレポートによると18日正午現在、9社をコロナ関連での経営破たん(倒産6社、破たん3社)と位置づける一方、安易な「コロナ」くくりに警鐘を鳴らす。 レポートでは北陸の学習塾が「コロナ関連倒産」と報じられたことに対して「長年赤字続きだった。生徒数の減少と競争からの脱落が原因。新型コロナはタイミングが合っただけ」と関係者の談話を紹介している。

コロナショックは2008年のリーマンショックと異なる。金融機関は余剰資金があり、金融システムは安定している。ただ、リーマン時と異なり、国をまたいだ移動の制限など商取引に大きな下方圧力が強まる。そのため、家計や企業が直接受けるダメージが大きい。影響が無縁な企業はほぼなく、国の中小企業向けの資金繰り対策は金融機関支援を主軸としたリーマンの時よりも重要性が増す。

幅広い短期的な支援が必要な一方、「経営難の本質的な原因がコロナではないケースも少なくない」(金融関係者)。国全体に重くのしかかりながらも手つかずだった「低い生産性」が苦境をさらに厳しくしていることとも「脱コロナショック」の先には向き合わなければならない。

 

日刊工業新聞2020年3月26日

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