産学連携でベンチャー支援、東大VCが新ファンド
東京大学のベンチャーキャピタル(VC)の東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC、東京都文京区、大泉克彦社長、03・3830・0200)は、産学連携による共同出資やカーブアウト(事業の切り出し)のベンチャー(VB)投資のファンドを設立した。政府資金による東大、京都大学、大阪大学、東北大学の4VCのうち、二つ目のファンド設立は初めて。まず1年で投資しきれる約28億円の組成で、追加出資を複数の事業会社と調整している。
新ファンド「AOI(アオイ)1号」は大半を東京大学が、他に三菱UFJ銀行と三井住友銀行が出資した。最終規模は非公表。期間は15年間。
東大IPCの最初のファンドは、他VCのファンドへ出資する特殊な形だった。今回は大企業と東大の共同研究成果から新設するジョントVBや、東大の資産を活用できそうな大企業発のカーブアウトVBを支援する。最初のファンドで避けた起業直後のVB投資も、企業の資産が活用できるケースで行う。
新ファンドからカーブアウトVB2件への投資も行った。武田薬品工業発の創薬VB、ファイメクス(神奈川県藤沢市)には、京大のVCなどと共同出資。東大医科学研究所との共同研究も動く。ユニ・チャーム発のOnedot(東京都港区)は中国向け育児ネットメディアだ。
日刊工業新聞2020年5月28日
