その手洗い不十分ですよ!コロナ感染予防へAIが動作判定
富士通研究所と富士通研究開発中心(北京市)は26日、カメラで撮影した映像から、複雑な手洗い動作を認識する人工知能(AI)「アクトライザー=写真」を開発したと発表した。映像から人の行動を認識するアクトライザーに手指動作の認識機能を拡張させ、両手の全体形状パターンと手洗いの一連の動きから手洗い動作を自動で認識するAIを新たに開発した。
人やカメラ位置、せっけんの種類などで約2000に及ぶ手洗い映像データを独自に撮影して学習・評価した結果、厚生労働省が推奨する正しい手洗いの六つの動作で95%以上の精度で動作認識できたという。
現場で運用する際にはステップごとに規定のこすり回数が実施され、完了と判定されるまで手洗いを実施する。システム側では実施時刻などの情報と合わせて自動で記録する。
この技術を活用することで衛生管理が必要な現場における手洗い実施確認を自動化し、目視確認と手作業による記録の工数をゼロにできる。食品業界に限らず、医療や教育現場、宿泊・イベント施設など、さまざま現場における人々の衛生管理や、インフルエンザや新型ウイルスなどの感染症予防にも役立つ。
日刊工業新聞2020年5月27日