歯の模型デザイン、3Dプリンターで製作スピード3倍に

技工士の減少をIT化で解決へ

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3Dプリンターで製作した歯科技工物の模型

DSデンタルスタジオ(千葉市美浜区、小山田真一朗社長、043・445・7555)は、歯科技工物の製造工程に3Dプリンターを導入している。技工士が減少傾向にある中、3Dプリンターを含めたITの活用は品質の安定とともに、業務の効率化にも結び付く。利用状況や課題、今後の展開について櫻井英規技工部架工課CAD室リーダーに聞いた。(千葉編集委員・中沖泰雄)

―利用状況は。

「ITの導入を進めることで、例えば技工物をデザインするスピードが3倍以上速くなった。3DプリンターはIT化の一環として導入した。入れ歯をつくる際、一人ひとりに合わせて型を取るが、その型を取るために必要な『トレー』や、かぶせものの模型の製造に活用している」

―どのような課題がありますか。

「まず手作業の場合と比較してコストが10倍アップすることだ。もうひとつは材料を海外メーカーから調達していることから、安定的に調達できなくなる懸念がある。ただ、3Dプリンターを使うと品質が安定するため、3Dプリンターを使ってほしいと要望する医師もいる。コストの問題が解決できれば、3Dプリンターに切り替えていきたい」

―今後、どのように活用していきますか。

「入れ歯を補強することで、厚さを薄くするとともに、変形を防ぐ金属床の製造に導入する計画だ。金属床の製造工程は複雑だが、これが実現できれば工程を短縮できる。現在、研究を進めており、早期に提案できるようにしたい」

―ITの活用は作業効率のアップに結び付きます。

「全国に歯科技工士は約3万人しかいない上、60歳前後が多く、高齢化が進み、その数は減少傾向にある。その中で技能伝承が課題になるが、IT化を進めることで解決に結び付く。これまで技工士の職場は労働時間が長いのが特徴だったが、IT活用で働き方改革を実現できる」

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日刊工業新聞2020年5月28日

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