ある有志団体に学ぶ、SDGsを社員や地域に浸透させる方法

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SDGsを知ってもらおうとDogフェスを開催(昨年5月)

持続可能な開発目標(SDGs)を事業に活用したくても、手順が分からずに試行錯誤する中小企業経営者がいる。SDGsの進め方にルールはなく、戸惑うのも当然だ。リフォーム業を展開するビッグアイ(千葉県習志野市)の杉浦克子社長たちは「とにかく行動しよう」と経営者らと有志団体を結成し、社員や地域にSDGsを浸透させた。有志団体の1年の活動を追った。

2019年5月、千葉市の幕張地区で活動する有志団体「Baytown SDGs Creation」は「Dogフェス」を初開催した。会場の公園には1000人近い住民が訪れ、愛犬との撮影会やドッグショーを楽しんだ。

のぼりやスタッフのシャツにはSDGsのロゴを印刷し、来場者の目に入るようにした。有志団体で中心的に活動する杉浦さんはSDGsを真っ正面に掲げようと計画した。しかし、敷居が高いと感じる住民もいることからDogフェスをメーンにし、SDGsは知るきっかけ程度にした。

効果はビッグアイの社員に現れた。外出先から戻った社員が杉浦さんに「SDGsのロゴを見た」と教えてくれるようになった。「知っていることで社員に優越感が生まれた」(杉浦さん)と頼もしそうに振り返る。

19年秋、神田外語大学の石井雅章准教授に来社してもらい、SDGsの社内勉強会を開いた。ワークショップに取り組んだ後、社員が「社内のモニターが多すぎる」「もっと紙を減らせる」と次々と指摘した。「社員の頭にSDGsが入った」と満足する。SDGsの敷居が下がり、一人ひとりの仕事に直結した。

杉浦さんは18年末にSDGsを知り、理念に共感した。地域が持続可能でないとリフォームの仕事が先細りし、自社も長続きしない。地域密着で経営する多くの中小企業に共通する課題だ。杉浦さんは地域でSDGsを推進したいと思い、経営者らに呼びかけ有志団体を立ち上げた。

ビッグアイの社内勉強会。社員の仕事とSDGsが直結

チョコレート店を経営する遠藤美映さんも杉浦さんに誘われた。「子どもが残り、いつまでもにぎやかな街であってほしい」と思いを語る。活動に参加し「SDGsは小さいことの積み上げでできる」と認識を深めた。

有志団体の活動は知られるようになり、千葉県も関心を持つようになった。遠藤さんは「地域で新しいつながりができた」と効果を語る。有志団体のシャツやシールを購入したいと他県の学生からも依頼が来る。SDGsが接点となり、ネットワークが広がった。

企業のSDGs活動と言えば、まずは社内で取り組むのが通常の手順だ。地域イベントから始めた杉浦さんの取り組み方は珍しいが、SDGsは他者との連携によるパートナーシップを求めており、実は実践していた。SDGsに詳しい石井准教授も杉浦さんたちの活動を「特徴的」とし、「企業や行政、学校のそれぞれの目的は異なっていい。協働できる場が大事だ」と語る。手順や目的に縛られず、行動することでSDGsの効果は生まれてくる。

日刊工業新聞2020年5月22日

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