中小企業も「大阪モデル」だ!感染第2波防ぐ商品が続々登場

経済活動と感染防止の両立へ

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吉村知事は日本の感染対策をリードしている存在

大阪の中小企業が既存の技術やサービスを生かし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため発令された外出自粛要請の解除に向けた商品を次々に打ち出している。プラスチックパイプの製造を手がける高永化学(大阪市平野区)は受け付けや事務所で使用する簡易間仕切りを、サクラインターナショナル(同中央区)は展示用資材を活用した飛沫(ひまつ)感染防止カバーをそれぞれ開発した。長期化する新型コロナ対策に中小の技術を役立て、感染の第2波、第3波を防ごうとユニークな取り組みが生まれている。(大阪・大川藍)

スピード開発

大阪府は14日、新型コロナの感染経路不明の新規感染者が10人未満など独自基準「大阪モデル」を7日間連続で達成し、事業者へ出していた休業要請を一部解除した。4月に始まった緊急事態措置は5月末で終了となり、街中への人の戻りが想定される。経済活動の再開に向けた期待が高まる一方、感染再拡大を防ぐための模索も始まった。

高永化学はパイプ成形の技術を生かし、プラスチックのパイプを使った簡易間仕切りを開発した。「4月下旬に考案し、翌週には商品化した」(高橋寧社長)というスピード開発商品だ。オフィスなど隣り合う席における飛沫感染を防ぐのに役立つ。一つ当たりの価格は1484円(消費税抜き)からと安価で、仕切りにはゴミ袋を利用できるため、取り換えコストも低く抑えられる。

感染拡大前からパイプを使った商品の新規開発に取り組んでいたことが、開発の早さにつながった。現在はオフィスを中心に食品メーカーや医療関連施設などから引き合いがあるという。さまざまな色のパイプを用意できるため、高橋社長は「暗くなりがちな状況下だが、カラフルなパイプを使い明るく乗り切ってほしい」と話す。

新ビジネス確立

サクラインターナショナルは展示会の企画運営を手がける。感染拡大により展示会が軒並み中止に追い込まれる中、展示用資材を感染防止に役立てられないかと考え開発したのが「キャッシャーシールド」だ。

イベントブース用のフレームとアクリル板を組み合わせ、対面接客するレジなどの飛沫感染防止カバーを開発した。店舗のレイアウトに合わせて組み立てができ、注文から数日内での設置も可能だという。これまでに農産物直売所などに設置しており、評判は上々だ。

銀行の現金自動預払機(ATM)の待ち時間における接触を防ぐ行列用のシールドや、テレワークブースの販売も始めた。資材やトラックなど保有する資産をフルに活用し、本業を生かした新たなビジネスの確立を模索する。

ほかにも東洋シール(大阪市東成区)が手洗い喚起用のフェイスペイントシールを配布するなど、自社技術を活用したアイデアが注目を集めている。感染拡大の影響が長期化する中、経済活動と感染防止の両立へ今ある技術をどう結びつけるか、中小の発想力が試される。

高永化学は塩ビパイプを使った簡易間仕切りを開発した(同社提供)
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日刊工業新聞2020年5月18日

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