「納豆は免疫力とは無関係」デマへの特効薬はあるのか

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「お1人様1個で」。近所のスーパーで納豆の品薄が続いている。「新型コロナウイルスの予防に効くらしい」とのうわさが影響しているようだ。業界団体の全国納豆協同組合連合会は「免疫力とは無関係」と火消しに回る。

流言の古典書『デマの心理学』を著した心理学者オルポートらは、流言を支えるのは「不安・不満下の緊張緩和と他人が知らない情報を他人に知らせたいという心理的メカニズム」と述べている。社会が危機にひんするとデマへの「免疫力」が弱まるのは今も変わらない。

医療崩壊に陥ったイタリア。人気作家のパオロ・ジョルダーノは『コロナの時代の僕ら』(早川書房)に「感情的でいいかげんな情報が流行初期にやたらと広がっていた。これこそ何よりも明らかな失敗」と自戒を込めている。

世界保健機関(WHO)はコロナのデマが大量に拡散する状態を「インフォデミック」と呼び、コロナと同様、警戒を促す。日本でも感染者や医療従事者への偏見や差別を生んでいるのは残念でならない。

インフォデミックも特効薬はないが予防はできる。発信者が不明の情報は信じない、フォロワー数の多さだけで信用しないことだ。非常時こそ一息ついて考える習慣をつけたい。

日刊工業新聞2020年5月15日

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