「卒煙ダービー」や「全従業員の喫煙率ゼロ」…製薬各社がタバコで競う

キャンペーン・宣言相次ぐ

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製薬業界を中心に禁煙推進が活発化している。4月から改正健康増進法が施行され、原則屋内での禁煙が定められた。子どもや患者への健康影響を配慮し受動喫煙を防止する。医薬品の提供を通じて健康を支える製薬企業は、社内禁煙に取り組み成果が出ている。

大日本住友製薬は卒煙・禁煙キャンペーンを実施。禁煙外来受診や禁煙補助剤に要した費用で、自己負担額の一部を補助する。5月31日の世界保健機関(WHO)の「世界禁煙デー」に合わせ、キャンペーンによる禁煙成功者の取り組みを全社に発信している。

2017年には「健康宣言」を定め、従業員と家族の健康づくりを促進。19年3月までに全国事業所内の喫煙所を閉鎖、全面禁煙にした。喫煙者の割合を前年比マイナス2%とするなど、喫煙者ゼロに向けた目標を設定した。

「自発的な健康管理を促すサポートが功を奏した」と話すのは、ロート製薬の西脇純子健康経営推進グループリーダー。卒煙者には独自の社内通貨を付与し、健康食チケットなどが取得できるように工夫を凝らした。分煙を始めた96年に約30%だった喫煙率は、19年12月に1・3%に減少。20年4月の目標値の0%に迫る。

喫煙率が高かった事業所では従業員の発案でユーモアある仕組みを導入。「卒煙ダービー」と題し、喫煙者を競走馬に見立てて従業員が支援者となる。卒煙にこぎ着ければ景品を用意するなどし、参加者全員が3カ月で喫煙率ゼロに達した。

塩野義製薬はさらなる喫煙対策を推進する。これまでは喫煙者ゼロを目指して事業所内禁煙に取り組んできた。絶対にたばこの煙の影響を受けない職場・家庭・社会環境実現への強い決意を込め、「『絶』煙宣言」を新たに掲げた。24年までにグループ従業員の喫煙率ゼロ達成を誓う。

企業による禁煙推進は全国に広がる。19年4月、社内の禁煙に賛同する複数社が禁煙推進企業コンソーシアムを構成した。現在ヘルスケア業界をはじめ32社・団体が参画。22年度における各社・団体喫煙率は、現状の17・7%から12%に抑える目標を据える。

日刊工業新聞2020年4月28日

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