相次ぐ再利用マスク、中小・ベンチャー独自の開発に迫る
中小企業・ベンチャーが新型コロナウイルス感染拡大に対応し、独自のマスクを相次ぎ開発している。TBM(東京都中央区、山﨑敦義社長、03・3538・6777)は植物由来素材のマスクを、タイセイ(神戸市長田区、原田忠幸社長、078・643・3315)はスポンジ製造技術を生かし、再利用可能なマスクをそれぞれ開発した。
TBM、植物由来
TBMの「BioFace」(上部写真)は抗菌性を持ち、洗って繰り返し使える。石油由来プラスチック製使い捨てマスクの代替として提案。マスク供給に貢献し、環境負荷も抑える。価格は1枚1500円(消費税抜き)。企業やドラッグストアなどから先行受注を始めた。
植物のでんぷんなどを原料とする生分解性プラスチックのポリ乳酸でマスクを製作した。ポリ乳酸は子会社のBioworks(京都府精華町)の技術を活用、製造は島精機製作所と連携して立体的に仕上げた。7月までに国内外で月10万枚の生産体制を構築する。
ポリ乳酸は抗菌作用を持ち、ニッセンケン品質評価センターの試験でマスクの抗菌効果を確認した。ポリ乳酸は弱酸性でもあり人の肌への刺激が少ない。
タイセイ、スポンジ素材
一方、タイセイの「リピートクリーンマスク」はスポンジ素材の抗菌仕様。マスク内側のフォルダーにテッシュやガーゼ、キッチンペーパーなどを挟み繰り返し使える。
リハビリ用マットなど医療向けのクッション材製造設備を活用し、月産10万枚体制を整えた。ゴールデンウイークの連休もフル稼働で対応する。インターネットで先行販売したほか5月から医療機関などの法人向けに販売する。消費税込みの価格は1枚500円。
優先的に兵庫県や大阪府の介護施設や医療機関、企業向けに提供するため別途月産1万枚の生産ラインの増設を予定。兵庫県には1000枚を寄付する。
同マスクは災害時のマスク不足時も中紙を換えることで常に清潔な状態を保つため備蓄用の防災用品としても活用できるという。