3Dプリンターのアルミ造形物を金属光沢加工する新技術
メーカーやユーザーに幅広く提案
アート1(神奈川県大和市、秋本政弘社長、046・264・1311)は、金属3Dプリンターで造形したアルミニウム造形物の表面に金属の光沢を与える表面処理技術を開発した。アルマイト処理の一種で表面の粗さもある程度滑らかにできる。3Dプリンターの造形物は金属的な見栄えにならない課題がある。新技術なら試作品でもより金属に近い外観で検討できる。3Dプリンターメーカーやユーザーなど幅広く提案する。
3Dプリンターでアルミ造形する場合、造形しやすくするためアルミ合金の粉体にケイ素を12%ほど混ぜる。アート1によると、ケイ素が混ざるとアルマイト処理が困難になる課題があった。
開発した表面処理「3DPBright(スリーディピーブライト)」は、アルマイト処理の前に行うブラストの方法や処理に使う電解液を工夫し、被膜を均一に施せるようにした。染料も定着しやすくなり、これまで難しかった黒などの色付けも可能になる。
表面の滑らかさに関しては、同社の実験によると未処理の3Dプリンター造形品の表面粗さが、算術平均粗さ(Ra)14・4マイクロメートル(マイクロは100万分の1)に対し、処理品は同4・9マイクロメートルだった。秋本社長は「3Dプリンターの利用価値向上に貢献できる」と期待を寄せている。
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日刊工業新聞2020年4月27日