【新型コロナ】工作機械メーカーの祭典「JIMTOF」中止に!どうなる?日本のモノづくり
日本工作機械工業会(日工会)と東京ビッグサイト(東京都江東区、石原清次社長)は21日、「第30回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2020)」の開催中止を決定したと発表した。東京・有明の東京ビッグサイトで12月7―12日に開催を予定していた。東京五輪・パラリンピックの開催が2021年に1年延期されたことに伴い、展示会場を確保できなくなったため。
JIMTOFは、米国の「国際製造技術展(IMTS)」、欧州の「欧州国際工作機械見本市(EMO)」と並ぶ世界三大工作機械見本市の一つ。
前回の18年の開催では、21カ国・地域から過去最多の1085社・団体が参加し、5524小間で最新の技術や製品を展示。計15万3103人が来場した。
今回も同等の規模を想定し、「織りなす技術、変わるものづくり」をテーマに掲げ、自動化や人工知能(AI)、第5世代通信(5G)対応などの先端機器・技術の展示が見込まれていた。
日工会によると、出展者の6割以上が、JIMTOFを新製品発表の場として捉えており、「開催中止は非常に残念。今後、22年の開催に向けて、東京ビッグサイトと調整を進めていく方針」(業務国際部)とした。
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3月の受注40%減、昨年度は1兆1000億円割れ
日本工作機械工業会(日工会)が9日発表した3月の工作機械受注実績(速報値)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、前年同月比40・8%減の773億5500万円と大きく落ち込んだ。18カ月連続の減少。2019年度は前年度比34・9%減の1兆994億4900万円で、2年連続の減少となった。
3月受注は、内需が前年同月比36・5%減の342億3500万円で、16カ月連続の減少。外需は同43・8%減の431億2000万円で、18カ月連続の減少となった。先行きについて日工会では、新型コロナの感染が世界的に広がっていることから、「厳しい状況が続きそうだ」(調査企画部)と見ている。
19年度は10年連続で1兆円超えを維持したものの、リーマン・ショックの影響を受けた09年度以来、10年ぶりに1兆1000億円を割り込んだ。米中貿易摩擦に、新型コロナの感染拡大が追い打ちをかけ、内需、外需ともに落ち込んだ。
内需は同36・5%減の4466億2800万円で3年ぶり、外需は同33・8%減の6528億2100万円で2年連続の減少。外需7000億円台割れは09年度以来10年ぶり。