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半導体チップ・ボード再生サービスで新型機器搭載コストが3分の1に

トモエレクトロ、年間10万件の受注目指す
半導体チップ・ボード再生サービスで新型機器搭載コストが3分の1に

ハンダを除去する前のチップ(左)と除去後

トモエレクトロ(相模原市中央区、武田知泰社長、042・760・2273)は、半導体チップやボードの再生サービスを始めた。在庫として残った各種機器のチップやボードを取り外して再生し、新型の機器類に搭載できる。生産台数が数千台から1万台であれば新規のチップやボードを搭載するのに比べ、コストが約3分の1になる。年間10万件の受注を目指す。

日本とベトナムの拠点を利用して再生サービスを手がける。対象となる半導体チップは中央演算処理装置(CPU)やメモリー、FPGA(プログラミングすることができるLSI)、ICなど種類をほぼ問わない。手作業でハンダを取り除き洗浄、検査装置で性能をチェック後、自動で別の基板に取り付けてX線により外観や性能を確認する。ハンダの除去は、窒素を充填したチャンバー内で行う。窒素で満たすとチップが壊れない240度Cで除去でき、作業品質が高まる。

半導体チップの検査機で性能をチェック

トモエレクトロの検証では、チップは7回まで再生しても故障せず利用できた。「通常は再利用は1回。だが、繰り返しても不具合がでない作業品質で再生できる」(武田社長)ことを示すという。

新製品投入サイクルが早い事務機やカメラ、パソコンなどの製品は、開発コストを抑えるため旧型機のチップやボードを再利用するケースがある。例えば高価なチップだけ新製品でも同じ製品を使う、画像センサーだけを新規開発して既存のボードに搭載し製品性能を高める、といったケースが考えられる。

日刊工業新聞2020年4月17日

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