損保の再保険コスト5割増見込み…相次ぐ自然災害が影響

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大きな被害をもたらした台風19号(東京・東急線二子玉川駅付近)

損害保険会社が再保険会社に支払うコストが2020年度から約4―5割引き上げられる見込みだ。損保会社は自然災害などに伴う多額の保険金支払いに備え、引き受けた契約の一部を再保険に加入することでリスクを低減している。相次ぐ自然災害で保険金の支払いがかさんでおり、肩代わりする再保険会社へのコストも比例して上昇する構図だ。(増重直樹)

再保険コストは保険料自体が高くなるケース以外にも、保険料を据え置くパターンなどがある。その場合、再保険会社は支払い義務が発生する損害額のラインを引き上げるなどしてリスクを低減する。損保会社、再保険会社双方で、さまざまな条件面での交渉が続く。

背景には甚大化、頻発化する自然災害がある。近年は5―10年に一度と想定されるクラスの大型台風や地震が常態化している。19年も、広域に被害をもたらした台風19号などを理由に、18年に続いて保険金支払額は大台の1兆円を超える見通しだ。「発生頻度は諸説考えられるが、これまでと違った対応が必要」(大手損保幹部)と危機感をにじませる。

再保険コストの引き上げは契約者負担にもつながる可能性がある。火災保険料の参考純率が引き上げられると、一定期間経過後に火災保険料にも相応に反映される。

19年10月には、18年の参考純率引き上げ分を反映する形で値上げが行われた。契約者負担を軽減するためにも防災・減災の取り組みを強化し、強靱(きょうじん)化を進める必要がありそうだ。

日刊工業新聞2020年4月17日

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損保 再保険

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