【新型コロナ】テレワーク拡大で商機?損保各社が攻勢をかける商品とは

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グループワーク研修で同期社員が交流する機会をつくる

新型コロナウイルスの感染拡大を防止する一環で、在宅勤務の働き方が広がっている。東京都は中堅・中小企業を対象にテレワークの環境整備を支援する助成金の募集も始めた。こうした動きに伴い、懸念される事態がサイバー攻撃だ。損害保険各社は“見えない脅威”に対し、さまざまな商品やサービスを提供している。(増重直樹)

日本損害保険協会が中小企業経営者らに実施した調査によると、サイバー保険への加入率は6・9%で1割に満たない。経営課題の優先度でも「サイバーリスクへの対応」は1・6%と、危機意識が薄い。一方、約2割の中小企業がサイバー攻撃の被害経験があり、そのうち、7・4%が1000万円以上1億円未満の金銭的損害を受けている。

標的型メール訓練/脆弱性を診断

被害例として、マルウエア(悪意を持ったソフトウエア群)や標的型攻撃がある。三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険などは、標的型メールに対する訓練を保険契約者らに提供。従業員にURLを添えた訓練メールを送り、クリック率を調査し、その結果を基に改善点などを含めた簡易リポートを作成する。従業員の危機意識を高め、情報漏えいを防ぐ狙いだ。

サイバー攻撃の手法は巧妙化かつ高度化、完全に防ぐことは不可能ともされる。ただ、SOMPOリスクマネジメントの担当者は「中小企業は事業継続の観点でも備える必要性が高い」と指摘する。セキュリティー対策が脆弱(ぜいじゃく)な企業がターゲットにされ、ブロックチェーンでつながる大手取引先が被害を受ける可能性もある。その場合、信用問題にも発展する。そこで同社や損保ジャパンは、保険や、ウェブサイトに対するサイバー攻撃の脆弱性を診断するサービスなどを提供している。

新種保険であるサイバー保険は、自動車保険や火災保険に比べボリュームが小さいが、東京海上日動火災保険は、2月にサイバー保険の加入件数が19年同月比130%に伸びた。月ごとにばらつきはあるが、2月以前から同様の伸び率になっている。「テレワーク勤務者が私有端末の業務利用(BYOD)で会社のシステムが不正アクセスを受けた場合も補償対象になる」(東京海上日動)という。

サイバー攻撃は自然災害と異なり、直接的な可視化が難しく、自分事として認識しづらい。新型コロナウイルスの収束が見通せず、在宅勤務の要請が強まる中、セキュリティーや補償を担保した上での導入が求められそうだ。

日刊工業新聞2020年4月10日

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