通信各社、体制縮小も「つなぐ使命」の努力続く

  • 1
  • 0
ドコモはショップの営業時間短縮を踏まえウェブでの手続きを推奨している

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受け、通信各社は営業時間を短縮する販売店の範囲の拡大やコールセンターの体制縮小といった対策を打ち出している。その上で、通信サービスの維持に努める姿勢も鮮明にしている。各社は従業員や顧客の健康に配慮しつつ、重要な社会インフラである通信ネットワークを守れるかが問われる。

NTTドコモは緊急事態宣言が発令される前、販売店「ドコモショップ」については、主に首都圏の店舗を対象に営業時間を短縮していた。宣言発令後はこの対象を全国の約2300店に拡大した。ソフトバンクは7都府県の「ソフトバンクショップ」「ワイモバイルショップ」の営業終了時刻を繰り上げる期間を5月6日まで延長する対応を決めた。

KDDIも同日まで「auショップ」の営業時間を短縮する。また、25歳以下の顧客を対象に、データ使い放題プランの料金を割り引く旨も公表した。教育機関の休校措置を踏まえ、遠隔授業でデータ通信を使いたい学生などの需要に応える。

通信各社はコールセンターでも感染防止対策に取り組む。ドコモは時差出勤や、出勤社員の制限による席間隔の拡大といった措置を実施。NTT東日本やNTT西日本も、センターの体制を一部縮小する。各社はこうした対策の結果、顧客にとっては電話がつながりにくくなる場合があると見込んでいる。

一方で各社は「安定的な通信サービスの提供に努める」(KDDI)、「情報通信事業者としての『つなぐ使命』を遂行する」(NTT東)など、サービスを維持する姿勢をあらためて打ち出した。大手通信各社は、今回の緊急事態宣言の根拠になった新型インフルエンザ等対策特別措置法により指定公共機関に指定されており、通信の確保に努める責務が課されている。

ネットワーク設備の保守や監視などに携わる社員は在宅勤務ができない。NTT東はこの点を踏まえ、「交代勤務を実施することで作業者が同時に感染しないようなリスク対策を行っている」。感染拡大防止に最大限の注意を払いつつ、インフラ維持の努力が続く。

(文=斎藤弘和)

日刊工業新聞2020年4月9日

キーワード

関連する記事はこちら

特集