新型コロナも底堅いスマホ需要、サプライヤーにも悲観少なく

テレワーク追い風、自動車の方が影響

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ファーウェイの5Gスマホ(同社公式サイトより)

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大でも、スマートフォン需要は足元で底堅い。中国でのサプライチェーン(供給網)寸断の影響は受けたものの、逆にテレワーク推進などの追い風がスマホ需要を下支えしているようだ。問題の長期化を見据えたスマホメーカーの在庫積み増しの動きもあり、部品サプライヤーはそれほど悲観論に傾いていない。

「中国で一部の需要減退はあったが、我々に来ているスマホ関係の注文は想定したより落ちていない」。ジャパンディスプレイ(JDI)の菊岡稔社長は25日の記者会見でそう語った。新型コロナの影響長期化をにらんだ在庫積み増しや新規顧客からの発注、テレワーク普及など複合的な理由と推測される。

同社の最大顧客である米アップルの新製品計画が、パンデミック(世界的大流行)により変更を余儀なくされるとの見方も出るが、生産制約ではなく十分なマーケティング活動を行えないがゆえの発売延期の可能性が少なくない。

キオクシアもNAND型フラッシュメモリーの四日市工場(三重県四日市市)でフル稼働が続く。「スマホ向けは若干落ち気味だが、データセンター向け需要が強い」(関係者)と先行きに懸念はなさそう。大口顧客には中国スマホ大手もおり、中国国内の感染が落ち着けばスマホ需要も回復に転じる見込みだ。

電子部品各社はスマホよりも、自動車市場のさらなる減速を心配する。「最終製品としてはスマホよりも自動車の方が新型コロナの影響を受けるだろう」(菊岡JDI社長)と巨大産業への打撃は甚大。自動車大手は世界各地で工場を相次ぎ停止しており、今後サプライチェーンへしわ寄せがいくのは確実だ。

TDKは25日に20年3月期連結業績予想を大幅に下方修正したが、自動車向け部品の販売低迷が主要因だ。各社電動化などで高成長を期待する自動車分野だが、新型コロナの感染拡大により思わぬ急ブレーキがかかる。

(取材・鈴木岳志)

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日刊工業新聞2020年3月27日

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