パッケージデザインの好感度を教えてくれるAI
EC(電子商取引)の浸透でパッケージデザインの役割が変化している。商品棚に陳列された状態で存在を主張するよりも、画面に表示された製品画像の印象が大切になる。プラグ(東京都千代田区、小川亮社長、03・5577・7850)は、パッケージデザインの好意度を推定する人工知能(AI)サービスを手がける。好意度に影響している箇所を指摘するためデザインを修正しやすい。
「日本で確立したモデルを世界展開しグローバルニッチを目指す」と坂元英樹副社長は宣言する。同社は年に2回、600商品に対してそれぞれ1000人分の評価データを集める「パッケージデザインランキング」を開いている。食品や飲料、生活用品などの商品を5段階で評価し印象やコメントも集める。5240商品のデータをもとに深層学習で評価モデルを作製し、新しいデザイン案への好意度を推定する。
評価に影響する部分をヒートマップで示し、デザイナーが修正すると好意度の変化を数値で示す。年代や性別ごとの評価を予測でき、坂元副社長は「修正が良いのか悪いのか、AIとして客観的に示せる」と胸を張る。
強みは評価データを集め続けている点だ。トレンドの変化を反映できる。AIの年間利用料は消費税抜きで600万円で国内100社の導入を目指す。「データ収集に億単位の費用がかかり売り上げは10億円程度。大手は参入できない」。データをためつつデザインのAI生成を進める。「現在は不自然さが残るが、データを増やし解消する」。ECは世界共通だ。このビジネスモデルを世界展開していく。(小寺貴之)