超薄型の有機太陽電池ができた!変換効率1.2倍で寿命は15倍

理研が開発

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理化学研究所の染谷隆夫主任研究員らは、高いエネルギー変換効率と長期保管安定性を持つ超薄型の有機太陽電池を開発した(写真=理研提供)。高いエネルギー変換効率と熱安定性を持つ素子を作製し、ポストアニール処理(後熱処理)を施した。従来よりもエネルギー変換効率が約1・2倍向上し、電池の寿命が15倍長くなった。衣服貼り付け型センサーなどのウエアラブルエレクトロニクスの軽量で柔軟な電源になると期待される。

東京大学と米カリフォルニア大学、豪モナシュ大学との国際共同研究。成果は米国アカデミー紀要電子版に、10日掲載される。

研究グループは、発電層を改良するために高エネルギー変換効率と熱安定性を併せ持つ「バルクヘテロ接合構造」の素子を作製した。また、発電層と正孔輸送層の界面の電荷輸送の効率を向上させるため、作製した素子を窒素下で5分間、150度Cで後熱処理した。エネルギー変換効率が13%に達し、厚さ3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の超薄型有機太陽電池を実現した。大気中で3000時間保管した後も95%以上のエネルギー変換効率を保持できた。

超薄型有機太陽電池は基板や封止膜に薄い高分子フィルムを使っているため、気体の透過抑止性の確保が難しかった。

また、安定的に駆動するための発電層や電荷注入層の界面を制御できなかった。

日刊工業新聞2020年3月10日

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