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光ファイバーを織り込み発光する生地、車の内装にも

大喜(福井県坂井市、山本岳由社長、0776・66・3200)は、ヨコ糸に光ファイバーを使い織った、発光する繊維生地(写真)を開発した。少数の発光ダイオード(LED)の光源で生地の表面を広く発光させられる。自動車の内装材をはじめ、イルミネーションなどで需要開拓する。

細径の樹脂製の光ファイバーを使い、ファイバーの側面から光が漏れ出る性質を利用する。特注した織機で、ジャカード織りとカラミ織りを組み合わせた製法でヨコ糸の屈曲が少なく、光源の光が末端まで届く。描く柄模様や色使いも高い自由度で作れる。生地の製造可能サイズは幅110センチ、25センチメートルの光源接続部がある。

2017年度に経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、福井県工業技術センターと連携で開発した。19年秋にトヨタ自動車がコンセプトカー「LQ」の内装材に使って初公開し、走行モードの変化を柔らかい印象で搭乗者に伝える仕組みとして市場の反応を探った。(福井)



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