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建物物の照明に利用、光合成燃料電池の発電力は?

建物物の照明に利用、光合成燃料電池の発電力は?

光合成パネルを使った住宅イメージ模型

摂南大学理工学部の川上比奈子教授と松尾康光教授らは、葉緑体を使った光合成燃料電池を使った「光合成建築」を考案した。光エネルギーにより水を酸素と水素に分解するたんぱく質の集合体を燃料とするバイオ燃料電池を開発。同電池による光合成パネル16平方メートルから20ワットを発電できる。パソコンやスマートフォンの充電や発光ダイオード(LED)照明、デジタル時計の表示などに活用できる。

光合成燃料電池は、野菜や樹木などの葉と水を混ぜた後に濾過し、葉緑体を取り出して作る。葉緑体から光合成の反応が起きるチラコイドを抽出し、界面活性剤を加えた後に電極のついた容器に入れて完成する。

パネルやチューブ状の建築材料として屋根や壁、窓などに利用する。約1カ月の発電ができ、チラコイドの溶液を交換すれば繰り返し使える。太陽光発電と比べて得られる電力は少ないため、補助的な電力として想定する。

間伐材や廃棄野菜を有効活用する方法として提案する。今後、建築会社や建材メーカー、廃棄野菜を有効活用したい食品メーカーなどと連携し、実用化を目指す。電池の寿命の長期化に取り組み、住宅や駅舎などでの展開を図る。

日刊工業新聞2020年2月27日

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