1時間に食器600枚片づけます!業務用ロボットがすごい
TechMagic(テックマジック、東京都港区、白木裕士社長)とフジマックは、業務用食器洗浄機から皿などを取り出し、コンテナにしまい込むロボットを開発した。食器をディープラーニング(深層学習)で認識するためマーカーが要らず、1時間当たり600枚の食器を収納する。ホテルや病院などの大規模厨房(ちゅうぼう)に提案。食器の取り出しと分類片付けに3―5人が配置されているスタッフを1人に抑えられる。2020年内の試験導入を目指す。
6軸の垂直多関節型と水平多関節(スカラ)型の2台の産業用ロボットで大型食洗機から出てくる食器を片付ける。コンベヤー上の食器を外形や糸底をもとに認識し、姿勢を推定して垂直多関節型ロボでピッキングする。仮置きされた食器をスカラ型ロボでコンテナに収納する。2台で分担することで処理速度を上げた。最終的には1時間当たり1200枚に処理能力を引き上げる。深層学習によって小皿や大皿、どんぶりなど3種を高速認識する。
従来は食器にマーカーを貼り、種類や姿勢を推定していた。認識処理は速いものの、食器に2次元コード「QRコード」などを印刷するコストがかかる。
今後、顧客先での試験導入と実証実験を進める。システムはフジマックが販売する。
大型食洗機のそばでの片付けは、衛生服を着て蒸気や熱気にさらされながら行う単純作業で、人手不足を背景にスタッフを集めることが難しくなっている。一方で大規模厨房を手がける事業者は設備投資のニーズも旺盛で、そういった客層を想定している。
18日から千葉市美浜区の幕張メッセで開幕する「厨房設備機器展」で公開する。
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日刊工業新聞2020年2月17日