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「確定申告」手続き電子化のメリットが増え始めた!副業拡大や感染予防も

17日に受け付けが始まる2019年分の確定申告から、税務署などへ出向かずに、パソコンやスマートフォンを使ってインターネットで手続きする動きが加速しそうだ。国税庁は19年分から、シェアリングエコノミーや副業により一定以上の所得があった会社員らが、スマホを使って確定申告できるシステムを追加。国内でも新型コロナウイルスによる肺炎感染が懸念される中で、感染予防の観点からも電子申告による利点は大きい。

給与所得者は通常、勤め先によって年末調整手続きが行われ、所得税額が決まるため、確定申告をする必要がない。ただ、副業などで得た収入から必要経費を差し引いた所得が20万円を超えると、確定申告をしなければならない。

国税の電子申告は、ネットなどで手続きが行える「e―Tax」と呼ばれるシステムを介して行う。マイナンバーカードと同カード対応のスマホを持っている人は、e―Taxで申告情報を送信できる。同カード対応のスマホを持っていない人も、暫定措置として「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されたID・パスワードがあればe―Taxで申告ができる。

13日に国税庁の後援で開かれた「副業・兼業・シェアワーカーのための確定申告セミナー」(シェアリングエコノミー協会主催)。セミナーでは同庁個人課税課職員がスマホを使用した申告書の作成方法を説明したほか、東京国税局個人課税課主催の「ID・パスワード発行会」が行われた。セミナーには39人が参加し、発行会も約30人が列を作った。

マイナンバーカードの交付枚数は13日時点で1946万7431枚にとどまる。同カード対応のスマホによる申告手続きが納税者に受け入れられるかは不透明だ。加えてID・パスワード方式も、最寄りの税務署で手続きを行う必要があるなど、電子申請に向けた利便性向上が今後の課題だ。

日刊工業新聞2020年2月17日

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