川重の次期社長は初のロボット部門から、勝利の秘訣をシリコンバレーから学ぶ

橋本常務執行役員が昇格、遅れる「選択と集中」に挑む

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橋本次期社長(右)と金花社長

川崎重工業は13日、橋本康彦取締役常務執行役員(62)が社長に昇格する人事を発表した。橋本氏は4月1日付で副社長となり、6月下旬の株主総会を経て社長に就任する。金花芳則社長(65)は代表権のある会長に就く。橋本氏は入社以来、ほぼ一貫してロボット畑を歩み、半導体向けロボットや手術用ロボット、協働ロボット事業を立ち上げた経歴を持つ。金花社長は橋本氏を起用した理由について、社内外の幅広いネットワークとスピード感を持って決断できることを挙げた。

橋本氏がカンパニープレジデントを務める精密機械・ロボット事業部門は、売上高では航空宇宙システムやモーターサイクル&エンジンなどより小さい。ロボット事業部門から社長が選ばれるのは初だが、橋本氏は「ロボットはすべての工場の自動化と密接な関係がある。全社的に省人化と自動化を進めていきたい」と強調。金花社長は環境が激変する中、アンテナを高く持ち、柔軟な考え方と行動力を持つ人が求められると語り、橋本氏の行動力、リーダーシップを高く評価した。

川崎重工業は同業他社に比べ、事業の選択と集中が遅れていると指摘する声がある。橋本氏は「選択と集中は事業単位でバサッと切り売りすることではない」とし、数多くの事業を手がけるメリットを生かしつつ、時代変化に柔軟に対応していきたいと述べた。

【略歴】橋本康彦(はしもと・やすひこ)氏 81年(昭56)東大工卒、同年川崎重工業入社。13年執行役員、16年常務執行役員、18年取締役常務執行役員。兵庫県出身。
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アイデア、トップダウンで

ロボットがやりたくて川崎重工業に入社し、その後もロボット一筋。半導体向けロボット事業を立ち上げる際は単身、米国シリコンバレーに乗り込み、大手メーカーへの拡販に成功した実績を持つ。

金花社長は「グイグイと会社を引っ張っていく力が持ち味」とした上で、「とにかくアイデアマン。会議で普通は下の人間がアイデアを出すが、彼はトップでアイデアを出し、皆をまとめていく」と評する。今では、半導体ロボットはもちろん協働ロボットも収益の柱に育っている。

本人はシリコンバレーに乗り込んだ時の経験を「誰よりも早く提案することが勝利の秘訣(ひけつ)になると学んだ」と語り、医療ロボットや水素ソリューションなど各種の新規プロジェクトも「しっかりと伸ばし、社会に貢献していきたい」と意欲を見せる。

ギターを計7本持つほか、油絵や水彩画、ゴルフなどが趣味。

(編集委員・嶋田歩)
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日刊工業新聞2020年2月14日

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