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農薬が植物に均一に広が量が半分に、花王が新展着剤開発

農薬が植物に均一に広が量が半分に、花王が新展着剤開発

作物に農薬が広がるのを助ける(上)ドライバーと水を混ぜて添加した葉(下)水のみを添加した葉

花王は、農薬の付着性をよくする機能をもつ機能性展着剤「ドライバー」を開発し、本格販売を開始した。農薬に混ぜて散布すると、農薬が植物に均一に広がるのを助ける。キャベツやネギなど水分をはじきやすい作物にも、しっかりと散布できるという。丸和バイオケミカル(東京都千代田区)から販売しており、価格は個別見積もり。農業の現場に新技術を提案する。

独自の技術を駆使し、作物と水分が触れる部分に働く力「界面張力」を低下させる液体の開発に成功した。水滴が下側からつぶれて、作物にひろがっていくイメージだ。

従来、空気層と液体の間で働く力「表面張力」のみを低下させ、水滴を上からつぶして広げるのが一般的だった。新たに開発したドライバーは、界面と表面両方の張力を低下させ、水滴を上下からつぶして広げる。

使い方は1000倍に希釈して農薬に混ぜるだけ。これまでの展着剤と変わらない。ただ、散布試験では水量、農薬量ともに半分にできたという。環境保全にも貢献する。

研究開発部門マテリアルサイエンス研究所の林利夫室長は「同技術をベースに、ドローンによる農薬散布用の展着剤を開発中。空からまく場合、作物まで距離がある。少ない量で安定的に効果が出るモノが必要になる」と話している。

同社は、長年界面活性剤の研究を手がけている。より安全な展着剤を作るべく、新技術を開発した。洗剤などの日用品分野だけでなく、農業分野でも技術を活用している。

日刊工業新聞2020年2月12日

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