強度10倍!?がれきと廃木材でできる「リサイクルコンクリート」
廃材の有効活用と循環利用を期待
東京大学生産技術研究所の酒井雄也講師らは、コンクリートのがれきと廃木材から再利用材料を開発した。コンクリートがれきと廃木材を粉砕し、水と混ぜて加熱しながら圧縮形成することで、それぞれが融合した「リサイクルコンクリート」を作った。新たにセメントを加える必要がなく、副産物も発生しない。曲げ強度が一般的なコンクリートの10倍を示した。廃材の有効活用と循環利用が期待できる。
バイオアパタイト(滋賀県彦根市)と大野建設(神奈川県愛川町)との共同研究。3年ほどで製品化する考え。
木材の成分である「リグニン」を含む野菜や落ち葉、製紙工程で発生する副産物などを廃木材の代わりに混ぜてもリサイクルコンクリートを作れた。リグニンがコンクリートがれき同士の接着剤となり再生されるとみられる。
コンクリートがれきの多くは、そのまま埋められている。不純物を取り除いて再度コンクリートとして使われている場合もあるが、新たにセメントを使うといった問題があった。
一方、廃木材の多くは焼却処分されているが、今後建築物の建て替えなどで増加すると考えられている。コンクリートがれきと廃木材のリサイクルが課題となっていた。
日刊工業新聞2020年2月7日