増える増える訪日客!大手小売りが新サービスでお出迎え
自国で注文、日本で受け取り。本国で購買につなげる戦略も
大手小売業が訪日外国人向けに国境を越えたシームレスな購買の仕組みの構築を進めている。松屋は外国人が訪日前に同社サイトで商品を予約し、銀座店裏の新設売り場で受け取れるようにするほか、香港で地元富裕層向けの商品チラシ配布も開始。マツモトキヨシホールディングス(HD)も知名度を活用し中国のショッピングモールサイトに出店。訪日外国人による購買で国内大手小売業のブランドは中国や香港などでも浸透している。ネットを活用した切れ目ない販売手法を確立する。
松屋はインバウンド向けの売り場を新設
松屋は30日に東京都中央区の銀座店裏にインバウンド向けの売り場を新設する。「ツーリストショップ アンド ラウンジ」は売り場面積が約132平方メートルで、化粧品や食品などをそろえる。同社の英語と中国語に対応した外国人向けショッピングサイト「+81モール」で訪日前に予約し、訪日の際に同売り場で免税手続きを済ませて商品を受け取る仕組みもある。
同社によると「訪日外国人の銀座地区での滞在時間は平均1時間半程度。欲しい商品の購入を訪日前に済ませ、スムーズに買い物できるようにする」のが狙いだ。同社ではまた、香港でも現地企業と組んで化粧品やサプリメントなど日本製の商品を掲載したチラシを作成し、現地富裕層向けに試験的に配布を始めた。状況を見ながら掲載品目を拡大する予定だ。
中国や香港、台湾など東南アジアを中心に外国人が銀座に訪れ、百貨店やドラッグストアで購買を体験している。これにより現地で「GINZA MATSUYA」のブランド名も浸透し、信頼も得ているという。これを本国での購買につなげる。
マツキヨはアリババに出店
マツモトキヨシHDは東京・銀座を始めとして免税対応店の展開に積極的で、訪日外国人売上高を2016年3月期に小売部門売上高の7、8%に引き上げる目標を掲げている。このため同社では中国の電子商取引サイト大手のアリババに出店。松屋と同じように現地に浸透している企業ブランドをアリババのサイト上でも活用し、日本製品の品質の良さを訴えて拡販を目指す。
ある大手小売業によると「訪日外国人の中でも、中華圏の人たちは一度買い物したところの口コミ情報を拡散するケースが多い」とし、次の訪日の際にも同じ場所で購入するケースが増えていると指摘する。今後、小売り側も訪日外国人の増加により、国境を越えた販売体制の構築が必要な時代になってきた。
10月1日から中国の大型連休「国慶節」が始まるのを前に、コンビニエンスストア各社が、訪日中国人の増加を見込み、中国の「銀聯カード」の取り扱いを拡充する。ローソンは同カードでの決済を24日に全店で始めると16日発表した。セブン&アイ・ホールディングス(HD)も16日、10月1日からセブン―イレブン全店で同カードに対応すると発表した。
ローソンでは試験的に同カードに対応している店舗で、同カード決済の平均客単価が通常の5倍超の3000円以上となっている。28日から、約1000店舗のATMで銀聯のクレジットカードとデビットカードによる日本円の引き出しも始める。2020年には全店舗のATMで銀聯カードに対応する。
セブン&アイHDはイトーヨーカドーでも29日から全店で同カードの扱いを始める。そごう・西武は現在14店舗で対応しており、10月中に計16店舗に拡大する。すでに約250店舗で対応しているファミリーマートも、16年1月までに全店で利用を可能にする予定だ。中国などからの観光客の利便性を高め、日用品や菓子のまとめ買い需要を取り込む。
松屋はインバウンド向けの売り場を新設
松屋は30日に東京都中央区の銀座店裏にインバウンド向けの売り場を新設する。「ツーリストショップ アンド ラウンジ」は売り場面積が約132平方メートルで、化粧品や食品などをそろえる。同社の英語と中国語に対応した外国人向けショッピングサイト「+81モール」で訪日前に予約し、訪日の際に同売り場で免税手続きを済ませて商品を受け取る仕組みもある。
同社によると「訪日外国人の銀座地区での滞在時間は平均1時間半程度。欲しい商品の購入を訪日前に済ませ、スムーズに買い物できるようにする」のが狙いだ。同社ではまた、香港でも現地企業と組んで化粧品やサプリメントなど日本製の商品を掲載したチラシを作成し、現地富裕層向けに試験的に配布を始めた。状況を見ながら掲載品目を拡大する予定だ。
中国や香港、台湾など東南アジアを中心に外国人が銀座に訪れ、百貨店やドラッグストアで購買を体験している。これにより現地で「GINZA MATSUYA」のブランド名も浸透し、信頼も得ているという。これを本国での購買につなげる。
マツキヨはアリババに出店
マツモトキヨシHDは東京・銀座を始めとして免税対応店の展開に積極的で、訪日外国人売上高を2016年3月期に小売部門売上高の7、8%に引き上げる目標を掲げている。このため同社では中国の電子商取引サイト大手のアリババに出店。松屋と同じように現地に浸透している企業ブランドをアリババのサイト上でも活用し、日本製品の品質の良さを訴えて拡販を目指す。
ある大手小売業によると「訪日外国人の中でも、中華圏の人たちは一度買い物したところの口コミ情報を拡散するケースが多い」とし、次の訪日の際にも同じ場所で購入するケースが増えていると指摘する。今後、小売り側も訪日外国人の増加により、国境を越えた販売体制の構築が必要な時代になってきた。
コンビニ大手は「銀聯カード」の対応拡大
10月1日から中国の大型連休「国慶節」が始まるのを前に、コンビニエンスストア各社が、訪日中国人の増加を見込み、中国の「銀聯カード」の取り扱いを拡充する。ローソンは同カードでの決済を24日に全店で始めると16日発表した。セブン&アイ・ホールディングス(HD)も16日、10月1日からセブン―イレブン全店で同カードに対応すると発表した。
ローソンでは試験的に同カードに対応している店舗で、同カード決済の平均客単価が通常の5倍超の3000円以上となっている。28日から、約1000店舗のATMで銀聯のクレジットカードとデビットカードによる日本円の引き出しも始める。2020年には全店舗のATMで銀聯カードに対応する。
セブン&アイHDはイトーヨーカドーでも29日から全店で同カードの扱いを始める。そごう・西武は現在14店舗で対応しており、10月中に計16店舗に拡大する。すでに約250店舗で対応しているファミリーマートも、16年1月までに全店で利用を可能にする予定だ。中国などからの観光客の利便性を高め、日用品や菓子のまとめ買い需要を取り込む。
日刊工業新聞2015年09月17日/22日