医療情報を匿名加工し流通させるプラットフォーム、NTTデータが構築へ

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写真はイメージ

NTTデータが医療データの活用を支援する事業を今月始めた。医療情報を匿名加工し、流通させるためのプラットフォーム(基盤)を構築。将来は数百万人の医療ビッグデータ(大量データ)を実現し、研究者や製薬会社の研究部門の新薬開発などにつなげる。医療分野にデータを活用したイノベーションを起こすことで、医療業界の発展や医療費の削減に寄与する狙いがある。(取材・川口拓洋)

【国内ITで初】

NTTデータは2019年12月に国内IT事業者として初めて「認定医療情報等取扱受託事業者」を取得した。これは18年5月に施行した次世代医療基盤法に基づき国が認定するもの。

「認定匿名加工医療情報作成事業者」も取得し、医師などで構成するライフデータイニシアティブ(LDI、京都市左京区)から委託を受けて、NTTデータが電子カルテを含む医療情報を収集・匿名加工し研究者などへの提供が可能になる。

【同意なく流通】

LDIとNTTデータは国から認定を受けたことで、医療機関から医療データを収集し、匿名加工することで患者本人に拒否の機会を与えれば、同意なく第三者に情報を流通することができる。同医療データの活用は「研究開発」に限定しているが、病気の人に投薬した事実だけでなく、投薬後の数値の変化が分かることで新薬の開発や難病の解明に活用できる。LDIと委託を受けたNTTデータは病床数が400以上ある大学病院などと連携。将来は300施設から数百万人のデータを集める。

これまで医療データは一人ひとりの患者から同意を取る方式だったが、国の認定を受けることでデータの中から明確に拒否した情報を離脱させられる。NTTデータ社会保障事業部の木村哲二統括部長は「情報の集まり方は大きく異なってくる。医療データのプラットフォームで医療業界の発展や高騰する医療費の課題解決につなげたい」と話す。

【北米など先行】

北米などでは医療データの売買が一般的になりつつある。データホルダーと言われる会社も登場する。木村統括部長も「医療の発展においてビッグデータの活用が重要な時代になっている」と強調する。NTTデータは同基盤に電子カルテなどのテキストデータだけでなく画像データなども追加し、データの量と質を高める。また北米やスペインの同社グループ会社でも医療データの活用に関する受託や支援事業を展開する。国の規制や環境は異なるが、分析のための人工知能(AI)や匿名化の技術をグループ全体で共同開発する方針だ。

日刊工業新聞2020年1月17日

COMMENT

「医療×IT×ビッグデータ」の最たる例と言える。同じ薬を投与した場合でもその後の回復に差異がある場合、原因追及が可能になる。ただ、機微情報である病歴や病名の活用と個人情報保護のバランス調整は容易ではない。NTTデータではNTTグループの匿名加工を支援するソフトウエアを活用し、秘匿性を担保する。「データは21世紀の石油」と言われるほど産業の成長や国の競争力に不可欠な資源。だが同時に、技術による秘匿性の維持・確保も強く求められている。

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