折込チラシのクーポンを切り取って販売。“節約心”をくすぐるECサイト

文=尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO) 食料費の節約を約束する「TheCouponClippers」

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「クーポン切り抜きサービス業者」として法律をクリア


 実は同サイトは表向きには「クーポン販売業者」ではなく、「クーポン切り抜きサービス業者」となっている。顧客に請求するのも「クーポンの料金」ではなく、「取扱い手数料」である。そのため、法律上も問題がないらしい。

 同サイトでクーポンを購入する手順は次のようになっている。
 1. 「Create Profile」のページで氏名や住所、メールアドレスなどの情報を入力し、ユーザーとして登録する。

 2. サイトから購入したいクーポンを見つけて購入枚数を指定し、カートに入れる。


 2015年9月15日には、次を含む1381種類のクーポンが提供されていた。(※画像2)

 一番左上はMahatmaまたはWaterMaid Riceという米を購入するときに利用できるクーポンである。「Available」は同サイトが調達した枚数。このクーポンは700枚用意されている。ただし1つの世帯で購入できる枚数は10枚までとなっている。「Value」はクーポンの額面を指し、このクーポンの場合は0.50ドル(約60円)。TheCouponClippersが徴収する手数料は0.10ドル(約12円)。このクーポンには使用期限があり、今年の12月31日までに使用しなければならない。

 3. 必要なクーポンをすべてカートに入れたら、チェックアウトの手続きに進む。

 顧客が最初のクーポンをカートに入れてからチェックアウトするまでの時間は90分に制限されている。90分を過ぎてもチェックアウトしなかった場合、カートは自動的に空に戻される。クーポンには使用期限があるため、カートに入れたまま、いつまでも放置されるとそのクーポンが無駄になってしまう。それを避けるための措置なのだ。また、1回に最低3ドル(約360円)分の注文をする必要があり、その他に管理料として0.50ドル(約60円)と送料がかかる。

 管理料は同サイトが銀行やPaypalのサービスを利用するために支払わなければならない料金を補填するための料金と説明されている。通常のECサイトでは、こうした料金は商品の価格に上乗せされるが、同サイトではそれができないため、一律0.50ドルの管理料を請求することにしたという。

 送料は顧客がどの種類の郵便を選ぶかによって変わる。通常郵便の場合、発送してから到着までに3〰10日かかる。同サイトが新たに受注した分のクーポンを発送するまでの時間は、サイトの左側に常にリアルタイムで表示しているので、顧客がどの種類の郵便を利用するかの判断基準になる。有効期限がある品物を扱っているための配慮だ。

 海外からも注文可能。利用できるのは米軍基地の売店

 尚、同サイトは海外からの注文にも対応している。海外からの注文者はクーポンを利用できる売店がある米軍基地の関係者がほとんどだ。しかし海外から注文した場合、普通郵便では到着までに時間がかかり、届いた時にはすでに使用期限が切れていたということも起こり得る。かと言って速達を利用すれば、郵便料金の方がクーポンで節約できる金額よりも高くつくかもしれない。

 その点を考慮してか、米軍基地内の売店では期限切れのクーポンでも受け付けることが一般的だそうだ。また、米国内でも期限切れのクーポンを受け付ける店舗もあるという。そのため、同サイトでは「EXPIRED COUPONS」というカテゴリーを設け、期限の切れたクーポンも販売している。ただし期限切れのクーポンであっても、手数料は変わらない。

 一般のクーポンサイトの商品と比べて、TheCouponClippersが扱っているクーポンは桁が小さく、販売手数料も微々たるものだ。それでよく商売になると思うが、同サイトの1日の顧客数は800〰1000人以上に達している。1件の注文が最低3ドル以上と決められているので、1000人の顧客がいれば、1日で少なくとも3000ドル(約36万円)の売上となる。侮れない数字だ。

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

節約心をくすぐるには、そのサービス業者の儲け主義やいやらしさが見えてはいけない。その点はとても難しいことだろうが、この「TheCouponClippers」はうまくコントロールできているのだろう。個人的には紙の媒体というか印刷物の可能性をちょうど考えていたところだったので、とても興味深い事例だった。

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ウッダード

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