ホンダの電動2輪は本格普及への布石となるか

2020年4月、法人向けに「ベンリィe」発売

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4月に国内販売する法人向け電動2輪車「ベンリィe」

ホンダは電動2輪車の投入を本格化し始めた。国内では初の一般販売となる法人向け電動2輪車を発売するほか、電動化が進む中国でも新車の投入などを進めている。一方で、電動2輪車の普及には充電時間の長さなどが課題。それでも2輪車の世界トップメーカーとして電動化の拡大への対応を見据えた準備に余念がない。(取材・山岸渉)

「顧客ニーズと合致した時に一気に普及すると思い、仕込みをしている」。ホンダの二輪事業本部長の安部典明常務執行役員は電動2輪車の見通しについてこう語る。ホンダは2020年4月に国内で電動2輪車「ベンリィe」を法人向けに発売する。中国向けでは電動2輪車「V―GO」を投入した。各国で2輪車製品の拡充を進めている。

だが、電動2輪車の普及には充電時間の長さや航続距離の短さがネックになっている。ベンリィeはその対策を施した。安部常務執行役員は「我々の提案は交換式バッテリー。航続距離もあり、充電の利便性、運転性能の良さもある」と説明する。

ベンリィeはホンダ独自の手軽な交換が可能な着脱式電池「モバイルパワーパック」を2個使用する。充電式ではなくなることで充電時間のロスを減らせる。

集配業者など法人向けとしたのも理由がある。集配業務は決められたルートや距離を走り、店舗に戻れば、充電された電池が準備される。充電などのための十分なスペース確保が可能で、円滑に電池の交換や車両の運行ができる。企業の間で環境意識が高まっていることも普及を後押しすると期待する。

モバイルパワーパックを生かし、業界を挙げて電動2輪車の普及も進める。ホンダなど国内2輪車メーカー4社による協議体「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」で、「モバイルパワーパックを軸とした仕様の統合や規格の標準化、顧客の使いやすい環境整備を検討する」(ホンダ二輪事業本部二輪事業企画部の三原大樹部長)方針だ。

一方、中国では電動2輪車の取り締まりが強化され、新しい交通法規が制定された。現在は「エレクトリックビークル(EV)」、「エレクトリックモペット(EM)」、「自転車(EB)」の三つに分けられる。中国で普及している電動2輪車の多くはいわゆる「電動自転車」だが、今後電動2輪車のカテゴリーの中でどれが伸びるのかを見極めないといけない。ホンダはV―GOのEVタイプを19年4月、EMタイプを同11月に発売しており、需要動向を探る意向だ。

日本や中国でも本格的な電動2輪車の浸透はこれからだが、台湾や一部中国メーカーによる台頭も懸念される。ホンダは競合の情勢をうかがいながらも、電動2輪車でも世界トップメーカーとしての地歩を固める構えだ。

日刊工業新聞2020年1月14日

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