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バイクの国内販売「面白い動き」にホンダはどう対応する?

2輪車部門トップに聞く「根強い需要、もっと乗りたくなる環境を」
バイクの国内販売「面白い動き」にホンダはどう対応する?

ホンダ公式ページより

 日系2輪メーカー各社が、さまざまな手を打ち始めている。国内で台数減少を続ける中、新販売店網の構築や新機種投入で活性化を狙う。電動2輪車など次代に向けた先進技術の開発も進む。海外はアジア市場を中心に、台数を伸ばそうとしている。将来の戦略について、ホンダ執行役員の安部典明氏に聞いた。

 ―2輪車市場の現状をどう見ていますか。
 「国内市場が縮小を続けているのは紛れもない事実だ。販売台数が減り続けている。保有台数は一部車種で増加に転じていることから需要が根強いことがうかがえるが、駐車場や免許制度など、もっと2輪車に乗りたくなるような環境が整っていないと感じる。縮小を食い止めるためにも業界と国が手を取り合い、連携を強化していく」

 「海外市場に目を向ければ、アジアやアフリカでは需要が高まり続ける。モータリゼーションはスクーターに始まって4輪車へ移行するが、アジアなどではスクーターから、趣味としても乗れる中排気量2輪車に嗜好(しこう)が移りつつある。動きをしっかりと捉えたい」

 ―国内では販売網を再編しました。
 「ひと言に2輪車といっても使われ方やニーズが違う。適したサービスと商品を提供するために新店舗網を誕生させた。移動の足として使われることが多いスクーターを主に販売するコミューター店は迅速な修理対応に重きを置き、ツーリングバイクやスポーツバイクも取り扱うドリーム店は製品の販売だけでなく、ライダー向けイベントなども実施し、2輪車のある生活様式を提案していく」

 ―原付や電動2輪車でヤマハ発動機と提携しています。
 「原付を取り巻く環境規制は厳しさを増し、コストがかさんで売価が上がり、1社で対応するには難しくなってきている。今後の製品開発には連携が最善と判断した。現在はスクーターのヤマハ発へのOEM(相手先ブランド)供給がスタート。さいたま市で電動2輪車の実証実験にも取り組んでいる。ただ、スポーツバイクなど大排気量車種の分野では、これからも競合関係を続け高品質な製品供給に努める」

 ―海外市場における戦略は。
 「2020年に環境規制が強化されるインドでは、コスト面に気を配りながら規制対応への作り込みを進めて、良質な機種を市場に投入する。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域ではタイとインドネシアを中心にスクーターだけでなく趣味性の高い2輪車へのニーズが高まってきた。需要を取り損ねないよう、潜在顧客を刺激し続けていく」
ホンダ執行役員の安部典明氏

(聞き手=山田諒)
日刊工業新聞2018年5月24日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
国内で2輪車市場の縮小が続く中、若い層の開拓が市場活性化への必須条件となっている。そんな中排気量125cc以上の台数が持ち直していることを「面白い動きだ」と安部執行役員は見ている。中でもスポーツモデルは20―30代に人気が高く、海外でも注目されている。市場をさらに活性化させるため、世界最大の2輪車メーカー、ホンダは次の一手を打ち続ける。今後の動きを見守りたい。 (日刊工業新聞・山田諒)

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