イオンは23年ぶりの社長交代で「小売りの勝者」として生き残れるか

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吉田次期社長(左)と岡田社長(右)

1997年以来23年ぶりに社長交代に踏み切るイオン。3月1日付で吉田昭夫副社長(59)が社長に就任、岡田元也社長(68)は代表権のある会長に就く。2020年度にイオン誕生から50周年となるのを機に新体制に移行、吉田次期社長の下でデジタル事業や海外事業の強化は実現できるか。

小売業界ではインターネット通販などとの競争が激しくなっている。イオンは英国のネットスーパー専業と業務提携するなどデジタル化対応に力を入れている。今後さらにリアル店舗との融合も図り、デジタル化を加速させる方針だ。吉田次期社長は19年3月からデジタル事業を担ってきた。岡田社長は吉田副社長を次期社長に選んだ理由として「予測をして長期的な変化を見通し、採算を考えながら決断、交渉することにたけている」と説明する。

中国事業の利益回復に大きく貢献したことも評価された。岡田社長は「想定外を想像しながら、果敢に対処できる新しいイオンのリーダーになってほしい」と期待を込める。

大役を担う吉田次期社長。「我々を取り巻く環境は大きく変化している。変化のスピードに負けない適応力が必要」と話す。その上で「人材育成に力を入れ現場対応力を上げる。イオンの改革の方向性を見失うことなく、グループ戦略の実行責任者として重責を果たしていく」という。

2月中に岡田社長と吉田次期社長の役割分担などを決めるという。岡田社長は「ほとんどの権限は新社長に任せる。私としては、グループ力を発揮できるよう事業戦略を進めていきたい」と話す。イオンは勝ち残りへ次のステップを踏み出す。

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日刊工業新聞2020年1月13日の記事を加筆・修正

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

小売業では「セブン&アイ」がカリスマ経営者だった鈴木敏文前会長が去り混乱しているように見える。セブンペイをはじめ鈴木さんがいれば、あり得なかったミスだ。セブンにはまだ他社を凌駕する商品力がある。5年ぐらいはその資産で食っていけるだろうが、このままでは「流通の盟主」の座から降りる可能性も高い。小売業界に限らずユニクロ、日本電産などカリスマ経営者の後継者選びの正解は、「マーケット」にしかないように思う。 大企業になればなるほど「創業家と経営」の相関も注目される。創業家から新浪さんという「プロ経営者」を連れてきたサントリー、創業家に大政奉還したトヨタ。イオンはまず3年ほど岡田会長と吉田社長の仕事ぶりを見ないといけない。イオンの生い立ちを知りたい方は関連記事の「イオン創業期の女性経営者がいちばん大切にしたもの」を読んでみてください。

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