パナソニック社長「もう一度、家電事業をやり直す時期が来た」
米国で反転攻勢
パナソニックの津賀一宏社長は米国の家電事業で反転攻勢をかける方針を示した。米ラスベガスで開催中の家電・IT見本市「CES」の会場で日刊工業新聞などの取材に応じ「もう一度家電をやり直す時期が来た」と明らかにした。従来の家電ではないデジタル技術などを活用した「サービスにひも付いた新しいタイプの家電」を展開する考え。
米国事業は現状、95%がBツーB(企業間)分野が占める。すでに米国ではテレビ事業を撤退しており、家電の比率は電子レンジや電話など5%未満しかない。米国での新しい家電戦略について検討を始めるとした。
家電事業の本社を日本から中国に移すとの一部報道については「大きな市場の近くでするのが家電事業の姿だ。長期的には中国のほうが大きい」とし、「中国の組織能力が上がり、収益性が上がって、自然に中国にシフトするのが基本の形」と話した。時間軸は「5―10年はかかる」とした。
パナソニックはトヨタ自動車と住宅事業の共同出資会社を設立した。そのトヨタが6日(同7日)、あらゆるモノがつながる次世代都市「コネクテッド・シティ」計画を公表し、参画企業を募っている。
同計画について「トヨタが長年温めてきたもの」とし、パナソニックの参画の是非については「(トヨタから)協力を求められたらするが、積極的に仲間に入れてくれという性質ではないかもしれない」とした。