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安い!300万円台の双腕ロボット、外装を樹脂に

アールティ(東京都千代田区、中川友紀子社長、03・6666・2566)は、価格が1台300万円台の双腕ロボット(写真)を開発した。ロボットの外装を金属から樹脂に変えたことで価格のダウンだけでなく、軽量化も達成。頭にあたる部分にカメラをつけ、右腕で対象物を押さえつつ、左腕で持つなどの協調動作ができる。人とロボットが一緒に働く食品工場や外食、保育施設や介護施設での片付けなどに需要が見込めるとみて拡販を目指す。

半導体産業などに使われる双腕ロボットは価格が500万円以上するものが大半で、非製造業やサービス業ユーザーにとっては高価格で手が出ないのが実情。アールティはこうした実情を念頭に、非製造業ユーザーが現場で使えることに重点を置いた。半導体向け製品ほどの精度や作業速度は必要ない代わり、人とぶつかっても安全な協働性や軽量・コンパクト性などが求められる。

同社の双腕ロボットは7軸関節で直交軸設計のロボットアームを2台組み合わせた構造。ロボアームの可搬重量は500グラムで、軽量物の作業を想定。カメラなどを含めた全体の重さが6キログラム以下と軽いため「机などにも簡単に設置できる」(中川範晃取締役)とする。

カメラ部分は市販品を用いることで価格を引き下げ、モーターも軽量のものを用いた。人がぶつかっても安全なだけでなく、人が離れた後もそのまま作業を続けられる。食品工場の現場などは作業員とロボが接触することがしばしばあり、その度に動作が止まっていては全体の納期に間に合わない。「そうした実態を考慮した」(同)という。

日刊工業新聞2019年12月25日

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