緊急車両でおなじみ回転灯、製造会社が創業以来初の全機種刷新の理由
パトライト(大阪市中央区、高野尚登社長、06・7711・8950)は、2020年1月に回転灯の全ラインアップを刷新する。現状の約700機種を176機種に集約する。生産と在庫を効率化し、コスト減分を高機能化などの原資に充てる。同時に短納期化にもつなげる方針。コストを抑制しながら発光ダイオード(LED)の全面採用に踏み切るほか、従来14%だった即納率を約57%に高める。
パトライトが回転灯の全機種を一挙に刷新するのは1947年の創業以来初めて。
回転灯は緊急車両のほか、インフラや工場内の危険・異常報知として使われる製品。製品の高機能化と即納ニーズに対応し競争力を強化する。灯体サイズや色、電源電圧などを主流に集約する一方で、従来の日本規格だけでなく欧州、米国、韓国、ロシアの規格を取得し、機械の付帯設備として輸出しやすくする。
新シリーズは従来と同様に反射鏡が回転する「SK型」と、複数のLEDを順次点灯させて疑似的な回転を生み出す「SF型」、点灯やフラッシュ点灯に特化した表示灯「SL型」の3シリーズ。全機種で光源寿命10万時間以上のLEDを採用する。
SK型は2万時間以上使用できるブラシレスモーターを採用してモーター寿命を従来比5倍に高め、顧客のメンテナンスを削減。SF型は回転駆動部を持たない完全メンテナンスフリータイプで、フラッシュ点灯や減光など多様な発光パターンができる。
既存機種の型番から後継モデルを選定できるサイトを20年1月6日に立ち上げる予定。旧機種の受注は20年末まで対応する。
日刊工業新聞2019年12月23日